3月16日は、画家・金子國義さんの命日でした。
大学生のころ、わたしは金子國義さんの絵が大好きになりました。
とりわけ、絵に登場するショートカットの女の子に憧れて、
こんな風になりたいなぁ、と、
絵を見ながら、自分で髪の毛を切ってみたりして……
……そんなことを、当時、大学の教室で、
先生だった画家の有元利夫さんにお話したら、
「ぼく、金子さんと友だちだよ」とのこと。
お話したのが夏休み前で、その後九月になってまた有元さんにお会いすると、
「ぼくの学生がファンだよって、金子さんに話したら、
喜んで、本をプレゼントしてくれたよ」
と、発売されてすぐの『金子國義アリスの画廊』を手渡してくださいました。
青と緑の色鉛筆のサインが入っています。
「途中で色鉛筆を持ち替えて、サインしてくれたんだよ」
と有元さんが教えてくれました。
それを聞いて、ますます嬉しくなりました!
宝ものとなったこの本は、
その日からずっと、いつも、わたしの本棚の目の届くところに置いてあります。
ときどき手に取って、眺めています。
もうだいぶ年月がたっているので、
ページには染みが出たり、汚れがついたりしていますが、
サインの青と緑は、今もきれいなままです。