「奥能登国際芸術祭2023」を見るために行った奥能登TRIP。
宿泊は珠洲ではなく能登町でした。
前々から行きたいと思っていた「能登イタリアンと発酵食の宿 ふらっと」にお邪魔することに。
ここは、オーストラリア人のベンジャミンフラットさん(ベンさん)と妻の船下智香子さんご夫婦が営む1日4組限定の小さな民宿です。もっとも、民宿というよりオーベルジュと呼んだ方がぴったりくるかもしれません。
小さな民宿ですが、TBSの番組「情熱大陸」で取り上げられるなど、超人気の民宿なのです。
実は我が妻が過去に宿泊していて、記憶に残る体験をしたり、さらにはベンさんと仕事でニューヨークにご一緒しているといったご縁があり、私も興味を持って、今回初めてお邪魔することにしたわけです。
能登町の矢波という内浦の穏やかな海沿いの高台にあります。
元々は、智香子さんのご両親が営んでいた民宿を改装していて、離れなどもあり、車通りから離れているため静かで落ち着いた宿なのです。
我々は一番奥の、こちら専用檜風呂付きの部屋に案内されました。
お風呂は別に共用の露天風呂があって、40分限定で入ることが出来ます。温泉ではありません。
内浦の海を眺めながらゆったりと入ることが出来る露天風呂!最高の気分です。
風呂上がりにはビールですね!?笑
ディナーは、こちらのダイニングで18時から一斉に始まります。
ちょうど夕陽が沈み、夜になる前の一時。濃紺に染まった空がきれいでした。
器は、珠洲焼や漆器、ガラス製の作家ものを使っていて、料理がより一層美味しく見えます。
ワインリストです。
我々はワインのペアリングでお願いしました。5,000円で最初の1杯は生ビールかスパークリングワインを選ぶことが出来ました。
我々はスパークリングで、「マンスフィールド&マルシュ メトード トラディショネル NV」。ニュージーランドのシャンパン製法のスパークリング。柑橘系の風味の好きっとした飲み口でした。
この後、白ワインが3種類出されました。料理に肉が出ないということでそのような構成ですが、すっきり系の飲み口のが多かった気がしますが、ワインごとに味の違いがあり楽しめました。
さて、料理の方ですが、「能登イタリアンと発酵食の宿 ふらっと」という名前の通り、能登の食材や発酵食品満載の食事を楽しめます。
能登イタリアンとなっていますが、実際はフレンチをミックスしたような料理で、他のお店では味わうことが出来ないオリジナル創作料理となっています。
まず出されたのは、「かぼちゃのスープ」。濃厚でしたが、かぼちゃの濃厚な甘みのある味で美味しかったです。
お次は「はちめのカルパッチョ」で、ガラスの皿に柚子がちりばめられていました。そして、添えられているのはいわゆる「なれずし」。能登などで作られている、塩蔵した魚を米飯とともに漬け込み熟成させた発酵食品ですが、昔の人が保存のために作っていたもので、こちらのは熟成期間の長い「ほんなれ」。上品でクセがないはちめの身ににチーズのような風味を加えていました。
ここで、ワインは「ボエジャー・エステート ソーヴィニヨン・ブラン セミヨン」が出てきました。
そして、能登のブランド椎茸「能登115」を使用し、ローズマリーをきかせたステーキが出てきました。
椎茸は、三大うま味成分の一つである「グアニル酸」をたっぷり含んでいて、噛むとうま味汁がたっぷり口の中にほとばしってとてもジューシー。粋な一品です。
そしてフォカッチャが出されました。自家製と言っていたかな?忘れました。汗
おいしいです。
こちらは「白茄子のチーズ焼き」。酸味のあるトマトソースがベストマッチ!
「カマスの一夜干しグリル」は、梅と味噌?のソース。小ぶりなカマスで骨まで食べられました。
パスタは、能登町宇出津であがったアオリイカのイカスミパスタ。自家製の手打ちの生パスタ「アッラキタッラ」で、切り口が正方形の縮れたパスタに濃厚なチーズを絡めていて、イカスミの濃厚なソースも一緒に絡めながら食べると、海の香りがチーズに乗り移って、得も言われぬ風味を楽しむことが出来ました。
メインは「鰆(さわら)のグリル」。ニラと酒カスのソースがたっぷり添えられています。鰆(さわら)自体はどちらかと言えば淡白な味ですが、ニラと酒カスのソースがいい仕事してくれましたよ。おいしさが倍増です。
最後にサラダが出てきました。この順番珍しいですね。
デザートは、大豆のジェラートだったかな?パッと見た目がおはぎのようでした。
以上で料理のほうは終わりです。
食材は高級なものを惜しげもなく取り入れるのではなく、あくまでも自家製や、この地で採れたもの(獲れたもの)ばかり。地産地消という流行りの言葉では表せないほどで、地のエネルギーを引き出す料理法と共に楽しめました。
なお、白ワインはあと2杯出されましたが、ここでは紹介を割愛します。
最後に、エスプレッソを飲みながら、しばし、元気で陽気な智香子さんとの楽しい会話。ベンさんもテーブルまで来てくれて、妻とのNYでの思い出に花が咲きました。至福のひと時でした。
そして、朝食は8時から一斉で同じ場所で食べます。
ディナーのイタリアン+フレンチの料理から、朝食は純和食。当然、能登の食材と昔からある料理法を大切にした内容となっていました。
テーブルには、これらのものがすでに並べられていました。
ウリは、イカのはらわたで造られる魚醤の「いしり」とからしの「ゆうなんば」。
「ゆうなんば」は自家栽培の無農薬の柚子の皮をすりおろし、珠洲の塩と唐辛子で4年?漬け込んであるようです。
こちらの豆腐に少量乗せられていて、少量でもとても辛かったです。
ご飯は能登産のコシヒカリ。
そして、いしりに5年間漬け込んで発酵させた「こんか鯖」。
5年の発酵とはすごい!これだけでご飯が何杯も食べられそうでした。
うるし塗の大きな汁椀「合鹿椀」にたっぷりと注がれた味噌汁は、魚のあらと椎茸(能登115)。滋味です。
量が多く、塩分が気になる年頃の私は、少し気になりました。笑
最後に出されたお茶は、無農薬自家栽培の杜仲茶。
血圧の降下や肝機能の向上に効果があると言われているので、最後にホッとできました。笑
1泊2食で、金、土、日、祝前日、祝日は税込1人22,550円。平日は20,350円、多客期や離れは別料金が発生しますが、この内容を味わえるのでれば納得できると思いました。
また機会があればリピートしたい宿です。ご馳走様でした。
能登イタリアンと発酵食の宿 ふらっと
石川県鳳珠郡能登町矢波27-26-3
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