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マックス・エルンスト―フィギュア×スケープ@横浜美術館に行って来ました(6/24まで)。
が,まず美術館のレストラン,
ブラッスリー・ティーズ・ミュゼでランチから~。このレストラン,貸切とかタイミングが合わなくて初めてなのです。(サイト見ても営業時間がわからないっ。予約のページに今日はランチが14時ラストオーダーなのは出てたけど。普段は15時ラストオーダーでした)
図録は先に買いました。オードブルは海に幸のサラダで,メインは仔羊。鴨のオレンジソースと迷ったけどガッツリ食べたかったの。デザートに桃のシフォンケーキ,桃のシャーベット添え。デサート別(¥500)で¥2000のプリフィクス。仔羊(+¥400)とグラスワイン(¥700)で更に+αだけどおいしかった,満足~。
今回パスしようと思ってたけど,例によって
ぶらぶら美術・博物館(ぶら美)で見たら行きたくなってしまったのです。作品を見る度に前に見たエルンストと違う〜?と不思議だったのは技のデパートだったからとは。まとめて見れるのはいいなあと思って。
マックス・エルンスト,いやー面白い! 実物見ると単に技法をたくさん持ってるっていう意味ではない。フロッタージュ(擦り出す),グロッタージュ(引っ掻く),デカルコマニー(転写)は,意図したものと意図しないものが現出する技法なのでは。そのへんにコラージュ(併用もするけど)との違いがあるかも。
ガラスを通してでない展示も多くて,質感と共に過程も感じることが出来る。『自由の賞賛』はガラスあったけど,背景の背景の白を後から載せたのがわかって彼の心象が見える。『ポーランドの騎手』や『鳩のように』の何重にも重なったイメージはエルンスト自身の心象ももちろん、見るわたしたちの心の内も暴いてゆく。
『嘘八百』は軽やかな色彩と形。でも仮面のような冷たさもある。そして後年の「美しき女庭師の帰還』にしても鳥は囚われたままなのかな。でも鳥は彫刻のもカワイイ。
更に充実のコレクション展はエルンストに合わせてマン・レイやハンス・ベルメールも。シュールレアリズムの部屋へももちろん行く~!こっちは撮影可だったのね。でも人が移るから上の方だけ。右はエントランスの彫刻群。
さっきデザート付けたのに
カフェで休憩。横浜まで来たのでそごう美術館の
京都 細見美術館展 PartⅡ琳派・若冲と雅の世界(〜7/16)にも行っちゃおうかなと野望が沸き起こり一休みしてから横浜駅へ移動しました。20時までなのですよ。だってこれもぶら美でやるから放送見たらきっと行きたくなっちゃうけど,もう横浜まで出る日にちはなさそうだから。
♪6/24までの
インカ帝国展@
科学博物館,梅雨入りした9日土曜は雨が面倒だけどその分空いてるかな〜と期待したら閉館1時間半切ってるのに10分待ちだけど並んでた〜!
もっと早く着けばと思ってたけど,いやいや更に中はとんでもない人混みで。入場まですっごく並んだアステカとかのときより混んでるっていうか,通路狭いのとみんな説明板をすごく熱心に読んでるからかしら? あと年齢層が雑多なのにちょっとビックリ。(
2007年のインカ・マヤ・アステカ展はやっぱり混んでたんでした。が,今回の方がなんか食いつき感が違うの)
そんなわけで展示は構成を頭に入れながら映像のみ見ながらなんとか進んで,16:40が上映終了という
マチュピチュ3Dスカイビューシアターを先に見ました。これはスゴイ,3Dはこういうのにこそ活かすべき。義朝じゃない玉木宏のナレ付。ああマチュピチュ行ってみたーい!(非常に混んでるの16:52の回が追加されました)
3Dから戻って16:30の入場締切からに賭けました!なかなか捌けなそうだったのに戻ったらほとんど人がいないくらい余裕で(さすがにミイラの前は動かない),この時間で展示そのものは全部見れたかな。やっぱりミイラと生贄の副葬品に足が止まる。死生観と文字がない帝国についてますます興味というより深い想いが。(図録とガイドを読んでもわからないことだらけなんですが,
ぶら美はとっても予習になりました)
ミイラがあるから撮影はどうかな?と事前に検索したら撮影可の場所が2カ所だけ。なのでデジカメ持ってくのやめました。【左】は触れるコーナーでもあります。そしてカハクの特別展に多い,第二会場から第一(3Dあり)に戻れない作り(展示そのものは第一で)。ここにもうひとつの撮影コーナー。
ショップはアルパカちゃんぬいぐるみもピンバッジのガチャガチャも鮮やかな衣類も素敵でしたけど,結局公式ガイドブックとカタログを両方買いました。
3/10~6/24国立科学博物館【巡回】7/6~9/9仙台市博物館,9/18~11/14山梨県立考古博物館,11/27~2013/1/27静岡県立美術館,2013/2/9~4/7富山県民会館美術館,2013/4/16~6/23京都文化博物館,2013/6/30~9/1福岡市博物館,2013/9/10~10/23鹿児島県歴史資料センター黎明館,2013/11/9~2014/2/2沖縄県立博物館・美術館
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新国立劇場《ローエングリン》,楽日に行って来ました。
去年のバイエルンのボータの美声が素晴らし過ぎたのでもう満足と思いつつ,バイロイトの映像で(容姿よりも)甘い歌声がローエグリンにぴったりとやっぱり聴かなくちゃ。(でもキャスト変更が多過ぎるのであくまで期待し過ぎないよーに)
やはりなんといってもフォークトのローエングリン。甘くて柔らかい声が素敵だけど,輝かしい神性みたいのはないかなあ。でもルックス含めて1人異次元に浮いてるというのがいいのです。ローエングリンは騎士であり王子様な,英雄とはまた違ったキャラクターだし。
舞台美術は電飾のバックが硬質な音楽に合ってました。でも花火とか具象的なのはちょっと興ざめなのであくまで抽象的に通して欲しかった。白鳥がやってくるところや,エルザに疑惑が残っているように白に紫が挿してるところとか心理描写を助けているのはよかった。衣装は1・2幕のエルザと合唱の衣装がヘン。でもエルザは短いのはおかしいけど,その後結婚式で白いロングドレスになり,初夜の場で短い白の下に黒いパンツ,終盤で黒いドレスとこれも心理に沿ってわかりやすい。
他に2幕のあくまで尊大なオルトルートと二人きりだと彼女に頼り切る殊更弱々しいテルラムント。ここでお花畑なエルザはオルトルートじゃなくてもムカつくけど,追い詰められ,結婚の場に向かうのにもローエングリンが付いてないのが面白い。そしていよいよ帰る段になってようやくエルザを抱き寄せる身勝手さ。解釈や読替えではなく演技で物語るシンプルさはとてもよかった。最後に帰って来た小さなゴットフリートが1人残される絶望感も筋が通ってる(ここで如何にも日本人のコじゃなくてよかったんだけど,実はダブルキャストだった)。 あ,演奏会形式でいいんじゃと思ってしまうのはシンプルな演出ではなく無理な読替えなんかを見たときなんですよね。
ワーグナーはやっぱりいいなあ。音楽が心情に寄り添い更に高めてく。それを一番感じることができる舞台だったと思います。楽日なのでとってもカーテンコール長かった。もちろんローエングリンが一番喝采ブラヴォーでした!
■ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2012(その2)鹿島茂「ロシア・バレエ団とパリ」
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「バルビエ×ラブルール〜アール・デコ,色彩と線描のイラストレーション@練馬区立美術館(4/8〜6/3),結局終了一日前に行きました。
これだけの展示・企画そのものが実現してるのももちろんだけど,ここ建物のあちこちに貼ってあるのがカワイくて,それで館内に長時間居心地良かったのかも。
まずバルビエは本物の発色,なんて美しい!バレエ・リュスやポール・ポワレのは何度も見たけど,これはとにかく圧倒的物量でした。展示室1のは「ビリチスの歌」とかもっと近付いて見たかったなあ。「ヴィ・イマジネール」も線がカラーで全体の色合いもまた独特でいい。そして衣装もファッションも素敵だけど,とにかくカラダの線がエロティック過ぎる。これも写真より更に真実を描いてるってことだと思うの。
そして版画の素晴らしさは他に譲っても,絵としてはやっぱりバレエ・リュス特にニジンスキーの跳躍に尽きてしまう。
ラブルールもすごくイイ!元々こういう版画大好きなんです。人物も面白いけど,エングレーヴィングの動植物や魚介類の線と余白の織りなす世界が面白いです。
15時半くらいに着いて,開館時間が18時までだとゆっくり出来ます。何回もぐるぐるしてしまいました。
図録はLFJのとき買っちゃってサインしていただいたので,ポストカードを少し。結局バレエ・リュス中心になってしまいます。
【関連番組】
ぶらぶら美術・博物館はなかなかリアルタイムで見れないので,だいたい行く前に録画を見てますが安心のハイクオリティ(マニアックにも初見の人にも楽しい)。NIKKEI×BSの方は女子アナ?記者?がモノを知らな過ぎて(だってニジンスキー知らないって)でも仕切ろうとするのがウザイけど(生だしな)鹿島先生のお話は面白かったです。コレクションの醍醐味は本の関係性,これは自分のもの。本の色はフランスの街の色。
♪5/26に
特別展「ボストン美術館〜日本美術の至宝」@
東京国立博物館へ。ようやくですが,会期は6/10までなのでわたしにしては早く行った方なんです。
終了まで日にちあるおかげか,遅い時間(土日祝~18時)だからか比較的ゆっくり見れました!17時じゃなくて18時までってだけでなんとなく余裕があります。金曜は20時まで。この後は混んでくるばかりでしょうけど,個人的には朝イチより閉館間際を狙った方がいいと思います〜。
ぶら美で予習したので,まずは
黒門から! 土日祝は門が開いてます(外からここを通って入れるわけではない)。
いつも特別展見て終ってしまうんですが今日はまず本館へ。本館の展示はリニューアルする前に昔の博物館の匂いがしてる頃見て,それはそれで好きでしたよ。
2階の「日本美術の流れ」へ向かいます。この階段素敵ですよね〜。ステンドグラスに繊細な時計いいな!
5/27までの展示だった
『平治物語絵巻 六波羅行幸巻』がお目当てです。だからこの日に出掛けたのです! 実は
静嘉堂文庫で
『平治物語絵巻 信西巻』を公開していて3つ同時に見れる機会だったのに,こちらは5/20までだったです。ああもったいないっ。
あんまり前知識なく見たんですけど「六波羅行幸巻」は細かな筆致にビックリ。全てに色が乗っているわけではなく,硬質な建物,肉感的な馬,それぞれ違う顔・表情の人々が描き分けられ,後で見たボストンの(三条殿夜討)と比べて平治の乱でもまた全然違う魅力でした。むしろこちらの方が面白いなあ。
「日本の美術の流れ」の展示そのものはざっとと思いつつ,武具に目が~!何故ウサ耳を付けるのだらうとか。 清盛的には「大原行幸図屏風」がありましたよ(建礼門院)。
まだ平成館には向かわず,
法隆寺宝物館のオークラガーデンテラスで英気を養う。ボストンだからクラムチャウダー!シュークリームみたいなパンは売切でした。食べてみたかった残念〜。
宝物館は初めて入りました。せっかくなのでここもチラッと。バラした光背をひとつひとつじっくり見れたり面白い! 一日いられますね,この国立博物館のエリア。平成館の特別展以外はチケット見ないので行ったり来たり出来るし(最初の入り口でチェック済),特別展も当日のみ再入場可みたいでしたし。
さて,ようやく
ボストン美術館展です。平成館に入る前にみんな何を撮ってんだんだろう?と右をみたら、スカイツリーだったよ。
既に16時半過ぎではありましたが,絵巻以外はそんなにびっしりってほどじゃなくて,だいたい順番に見れました。プロローグから橋本雅邦『騎龍弁天』でもう龍が!あの,弁天様より龍の方が美しいです。表情に可愛げがあるけど。
「仏のかたち 神のすがた」では図画よりも快慶の弥勒菩薩像のきゅっとした腰のひねりに釘付けに。絶妙なポーズを見るのに106.4cmというぱっと全身が視界に入る,大き過ぎず小さ過ぎずというサイズがちょうどいいみたい。
「海を渡った二大絵巻」は閉館20分前くらいにじっくり見ました。ちゃんと頭から順番に見たかったので。『吉備大臣入唐絵巻』の吉備真備の力の抜けたユーモア(阿倍仲麻呂と聞き耳立ててたり,空飛んでる姿がイイ!)と『平治物語絵巻 三条殿夜討巻』の描き込まれた迫力が凄い対比になってる。(続けて展示)
「華ひらく近世絵画」ではベタだけど光琳「松島図屏風」。岩も波もここにこの表現か!と写実的なとこは何もなくて,デザイン性であり,でもひとつのリアリティだと思うの。そして屏風が作る躍動感も活かしきってる。
あと若冲の『鸚鵡図』と最後のコーナー「奇才 曾我蕭白」の『鷹図』。やり過ぎの事例みたいな二人だけど,鸚鵡の白い線だけで描かれた羽の繊細さ,鋭い鷹と輪郭のない白とピンクの花(牡丹?)の発色に暫し見惚れてました。
そのほかも「アメリカ人を魅了した日本のわざ−刀剣と染織」含めどれも素晴らしい作品ばかりなのに,やっぱり最後の蕭白『雲龍図』が全部持って行ってしまった! もう技術がどうとかではない。巨大な実物を前にしてこの構図,どこにどの技法を施すかの計算(頭の後ろを黒くあえて描き込まないとか),全て伴った大胆な表現でした。
おかげで図録はもちろん買うけど,エコバッグ付にしちゃった。+¥200でこのかわゆさが〜。
『雲龍図』は襖から剥がされていたのを今回修復して世界初公開なのだそうです。日本画はもともと長期間展示出来ないものだけど,5年休ませていたとかでボストンに戻ってもすぐには見れないようですよ。
【巡回予定】6/23〜9/17,9/29〜12/9名古屋ボストン美術館,2013/1/1〜3/17九州国立博物館,2013/4/2〜6/16大阪市立美術館
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