色々な面で物足りなさがあった。
「ワンダーボーイズ」(2000米)ジャンルコメディ・ジャンル人間ドラマ
(あらすじ) 大学の文学教授グラディは、過去にたった1冊だけベストセラーを出版したことがある。しかし、その後は新作を書けず、離婚、不倫と堕落した生活を送っていた。担当編集者のテリーが原稿の督促にやって来たので頭が痛い。その夜、大学のパーティーが開かれる。グラディはそこでジェームズという学生と出会う。彼はクラスから変人扱いされる変わり者だったが、実は類まれな天才だった。そんな彼がひょんなことから取り返しのつかない事件を起こしてしまう。グラディにもその責任の一旦はあり、テリーを巻き込みながら隠蔽工作に奔走することになる。
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(レビュー) 中年教授が様々なトラブルに巻き込まれながら、教え子と友情を芽生えさていくコメディ。
スラップスティックな展開で先を読ませないところが本作の妙味だと思うが、個人的にはもっとかき回して欲しかったという気がした。天才にして変人というレッテルを貼られたジェームズのキャラクターが強烈なだけに、彼の効用を中途半端に失した脚本が惜しまれる。
笑える個所としては、グラディの新作が風に舞うシーンだろうか。幸か不幸か彼はこれによって今までの窮屈なしがらみから開放されたわけであるから、その後に見せる何とも言えぬ安堵の表情は実に可笑しい。ここは秀逸だと思う。
しかし、これ以外のギャグは正直今ひとつ‥。空回りしているという感じである。犬にまつわるブラックジョークは底が浅いし、一癖も二癖もありそうなサブキャラも”笑い”に十分活かされないまま終わってしまった。
どちらかというとオフ・ビートなコメディを狙っているような気もするのだが、だとしてもその手の作品に必携な脱力テイストは物足りない。
キャストではM・ダグラス、T・マグワイア、芸達者な演技で安定している。M・ダグラスは肩の力を抜いた演技で放蕩中年のダラダラした生き方を上手く表現していた。また、T・マグワイアも謎めいた面持ちで独特の雰囲気を醸しユニークな存在感を見せていて良かった。