悪役1号進撃せよ !! / 悪役1号を使ったジオラマ
モデルグラフィックスの創刊3号に掲載された悪役1号のイラストコラム「宮崎駿の雑記ノート」を見た中学生時代の私はいつかこのジオラマを造りたい!と妄想しつづけたのでした。。。。
このイラストボードの隅に配置されたこの絵!!
手前の豚の兵士、迎え撃つ装甲車、悪役1号がなぎ倒す煉瓦作りの街!!
たまりませ〜ん!!
タスカさんから悪役1号のキットが発売されるというニュースを聞いてからはこの中学生の頃からの夢を果たすべく妄想回路がフル回転していたのです!!が、なななんと非常にもうれしい更なるニュースが!!
ちょうどこの頃にアーマーモデリングの作例依頼を立て続けにいただいておりまして、その実績を買われてこの悪役1号を使ったジオラマ作品の依頼が舞い込んで来たのです。
本格的な AFV雑誌に掲載される架空戦車のジオラマ。これはプレシャーが大きい。
しかし、ちょっとした応用で本格的な AFV作品にも転用出来るテクニックを混ぜればアーマーでの作例として十分な価値が産み出せそうだというコンセプトで進める事に決定!
それはスチレンボードを使った建物制作の紹介。そう前々回のこちらのブログで紹介したあの記事です。
http://arakichi.blog.fc2.com/blog-entry-49.html
実はこの方法でここまで本格的な建物を造った経験がなくて、さも作り慣れているように語っていながら本当はものすごく不安な気持で制作していたのは今だから言える事実(爆)
まぁそんなこんなで作り上げた作品「悪役1号」はこれです!
建物をなぎ倒しながら突き進む悪役1号の勇姿!
そして逃げ惑う豚兵士・・・・流石にイラストそのままの街では折角の悪役1号の姿が煉瓦のガレキで見えなくなってしまいますので、よりキャッチーな街のシンボル的な建物に置き換えました。
こちらのブログでいろいろ紹介している過去の作品において、頻繁に使用されている「樽」デザインの花かごはこの時の作品が初のチャレンジでした。ちなみにホームセンターで売られている樽をカットしたようなデザインの園芸用の植木鉢を適度な高さになるようにカットしたものです。
ドドドドド!!!!!!!!!!!!
地響きをたてながら突き進む悪役1号!迎え撃つ敵は皆無。
サーチライトは LEDをセットして発光するように加工しています。
前方にあるドーザーブレードは設定画同様に前にせり出せるようになっています。
戦車がアタックして飛び散る建物の石材!
非常に古典的な手法ですが1つ1つに真鍮線を差し込んで空中に浮かせています。
戦車が突き進む手前の緑の部分は市民公園という設定。木をなぎ倒しながら突き進みます!
そして逃げまどう豚兵士!宮崎駿さんのイラスト参考にエポキシパテでスクラッチしました!
そしてこちらもイラストどおりの装甲車!ちゃんと運転席には豚さんが載っています。
この世界の住民は豚。ですから、よくある噴水の出水口はライオンの口ではなく・・・・
豚の鼻!!
妄想回路をフル回転させてジオラマの世界観を楽しみながら造りました。
さて、このジオラマが掲載されているアーマーモデリングは以下
非常に読み応えのある作例がてんこ盛りで掲載されており、特集である現行欧州戦車に興味が無い方でも十分に楽しめます。ただし・・・非常に古い(2005年)の雑誌ですのでバックナンバーがあるかどうか・・・
例のモデルグラフィックスの宮崎さんのイラストコラムの最後にはこんなおちゃめなオチが書かれています。
20年前で2億円!!。アカデミー受賞監督になられた宮崎監督に今依頼したら
・・・・いったいいくらで作っていただけるのでしょうか?
頑張って宝くじでも買うしかないかな?
●超オススメ!今回作例に使ったアスカモデル(社名が変わりました)の1/72スケールのプラモデル。
<定期PR>
※2021年2月11日発売
2015年にジオラマ作家として独立してから5年間に受注した仕事をまとめた写真エッセイ集。今までのジオラマ本のように作り方のHow to 記事も盛り込みながら、それぞれの仕事をどのように受注してアウトプットしたかを綴ったビジネス本として執筆しました。
好きな事を仕事にしたいクリエイター志望の方へのヒントになれば!
※2019年4月10日発売
失われつつある昭和の駄菓子屋を1/24スケールで徹底的に作り込み、その作り方を図面、写真で超解説したジオラマHOW TO 本。和風日本家屋の構造解説でドールハウスや鉄道模型などのジオラマ作りの参考になります!
※2016年8月に発売された私の初のジオラマHow to写真集「作る!超リアルなジオラマ」
イラストと写真を織り交ぜて、ジオラマ作りの考え方や作り方、保存の仕方、写真撮影、SNSでのアピールの仕方など重箱の隅を突くように執筆した本です。現在6刷突入で2万冊突破で好評発売中です!
※2015年に発売された私の初の作品/エッセイ集「凄い!ジオラマ」をカラー写真2倍に増量+本の多さアップで生まれ変えた「凄い!ジオラマ[改]ジオラマ作りの楽しさを文章と写真で楽しめる本です!2018年11月発売
※このBlogをスマートフォンでご覧の方、スマートフォン表示ではなく、「PCモード表示」にすると、過去の記事の検索や、問い合わせの為のメール送信のフォームがご覧いただけます。
この記事へのコメント:
たにーちょ : 2012/06/19 (火) 11:53:51
たにーちょといいます。
楽しい作品の数々と、惜しげもないテクニック公開、毎回楽しみにしてます!
ちょっと質問なのですが・・・
モデリングペーストを使ったコンクリート等の表現を試してみたのですが、ペーストが思った以上にねっとりとしていて、なかなか薄く塗り広げることができません。
なにかコツがあるのでしょうか?
それとも、ひたすら丁寧に塗り広げるしかないのでしょうか?
ご教授いただけると幸いです<(_ _)>
アラーキー : 2012/06/19 (火) 21:26:11
こんにわ!こういう質問大歓迎ですよ。
ブログ拝見しましたマシーネンの方ですね。
そうそう、錆好きな人はやはりマシーネラーが多い(笑)
さて、質問の件ですがさっそく実行されたと言う事で
「やってみたらアラーキーの言うてることちゃうやん」と思った事でしょう(笑)。
実はモデリングペーストでのコンクリート再現法はいずれ記事で書こうと思っていたのですが、かなりハードルは高いんですよ。石畳や煉瓦の方が遥かに簡単。
まずは思ったよりもモデリングペーストは柔らかくて、難義したという事を経験したのは非常に良い事です。
コンクリートの再現では均一面を出すのは本当に難しいんです。モデリングペーストの場合は厚塗りは無理。つまり、本当にうす〜く表面をなでる程度に塗るだけでいいのです。下地に使うスタイロフォームやスチレンボードは真っ平らの場合は極端な話、その上に直接コンクリート色を塗ってもいいぐらいなんです。でもやはりモデリングペーストを塗った方が遥かにリアル。
おそらく石膏を流すような厚さを想像したのかもしれませんね。
モデリングペーストを割り箸を使って、パンにバターを塗るように水平に動かして塗る・・・・というか延ばすように塗ってください。ある程度よく乾燥させてそれからまた塗るという行程を繰り返してください。一度で厚塗りは無理ですからね。
それでも表面は左官職人が塗ったように均一にはならずにかなり凸凹してしまいます。
完全乾燥させた後には・・・・板に荒い紙ヤスリ(180番ぐらい)を張ったものを使って表面を成らします。これが大変!周りに新聞紙をしっかりと引いて作業しないと周囲が真っ白になってしまいます。でも石膏や小麦粉の粉が舞う様な状態にはなりませんのでご安心を。
私の作品の中で「トタン壁の造船所」や「赤灯台のある防波堤」で造ったコンクリート地面はこうやってつくりました。かなり手間はかかりますが、独特の凸凹が再現されて、またアクセントでヒビをけがき針で書き込むとかなりいい雰囲気になりますよ!
私は誰から教わることなく独自に失敗を繰り返しながら作り出していますので、兎に角手を動かしてみてコツをつかんでみてください。
たにーちょ : 2012/06/19 (火) 23:43:40
おっしゃる通り、イメージしていた厚みが問題だったようです。
どうしても実物のコンクリートの質感をイメージしすぎて厚塗りになっていたようです。
これからも、ブログ記事を参考にいろいろチャレンジさせていただきまーす\(^o^)/
アラーキー : 2012/06/20 (水) 06:46:44
最近の模型雑誌も作り方などが詳しく書いてある物があるとそれを見ているだけでさも、自分が経験したような錯覚になる場合があります。
でも実行してみると・・・思っていたよりも簡単に感じる場合や難しく感じる場合もあり・・・
やはり自分の手を動かすのは大切な事です。でも1度経験した人はそれが確実に「スキル」になる訳ですからもう自慢しまくっていいんですよ(笑)
マック : 2012/06/23 (土) 03:31:14
とりあえず、明日はホームセンターで花かごをチェックします( ̄▽ ̄)
今後ともよろしくお願いします!
ぴあにしも : 2012/06/23 (土) 13:15:06
こんにちは、アラーキーさん。
この悪役1号が掲載されたア―マ―モデリング、持ってますよ♪
おもしろい切り口で制作されているなぁと思いながら見ていました。
私は当時、模型の箱絵を再現したくてせっせとブタさんを増産していました。
そしたらあとからブタ兵大量付きのものが発売されて・・・
まあ、自分のが完成したあとだったのでよかったんですけどね(^_^;)
宮崎監督のコラムがまとめられた雑想ノ―トは
今でもときどき本棚から引っ張り出してきて読みます。
好きな1冊です。
アラーキー : 2012/06/23 (土) 14:45:50
こちらこそ、名誉ある宮崎メカ模型クラブに入らせていただきながら、まったく卓にも行かずに作品だけを放置していてすみません。。。
せめてもの罪滅ぼしで・・・・という訳ではありませんが、こちらの写真をみてやってくださいませ!
この作品もかれこれ5年以上前の作品なので、そろそろ宮崎メカで新作を起こさねばと思っているんですけどね。
花かごは本当に使えます。特に宮崎メカにはピッタリですよ〜!!
アラーキー : 2012/06/23 (土) 14:50:57
そういえば宮崎メカ模型クラブに入られたんですよね。
と、言う事は来年は同じサークルでご一緒できますね♫(いや、私の身体が2つに分裂すればの話ですが・・・・)
こんなに古いアーマーを持っているとは驚き!ほんとぴあさんは守備範囲が広いですね。
そして・・・
>私は当時、模型の箱絵を再現したくてせっせとブタさんを増産していました。
→でた!ぴあさんの根性モデリング!!(笑)すごいすごい!!
あのタスカのキットの豚さんは実はスケールがちょっと大きくて戦車とならべると戦車が小さく見えちゃうんですよね。
でも、僕もベタだけどあのイラストのシーンは造りたいと思っています。
それに断面悪役1号もね♫