【作品.20】悪役1号カテゴリーの記事 : 情景師アラーキーの ジオラマでショー
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悪役1号進撃せよ !! / 悪役1号を使ったジオラマ




モデルグラフィックスの創刊3号に掲載された悪役1号のイラストコラム「宮崎駿の雑記ノート」を見た中学生時代の私はいつかこのジオラマを造りたい!と妄想しつづけたのでした。。。。


悪役1号見開き



このイラストボードの隅に配置されたこの絵!!

モデグラ2



手前の豚の兵士、迎え撃つ装甲車、悪役1号がなぎ倒す煉瓦作りの街!!

たまりませ〜ん!!




タスカさんから悪役1号のキットが発売されるというニュースを聞いてからはこの中学生の頃からの夢を果たすべく妄想回路がフル回転していたのです!!が、なななんと非常にもうれしい更なるニュースが!!

ちょうどこの頃にアーマーモデリングの作例依頼を立て続けにいただいておりまして、その実績を買われてこの悪役1号を使ったジオラマ作品の依頼が舞い込んで来たのです。
本格的な AFV雑誌に掲載される架空戦車のジオラマ。これはプレシャーが大きい。

しかし、ちょっとした応用で本格的な AFV作品にも転用出来るテクニックを混ぜればアーマーでの作例として十分な価値が産み出せそうだというコンセプトで進める事に決定!
それはスチレンボードを使った建物制作の紹介。そう前々回のこちらのブログで紹介したあの記事です。

http://arakichi.blog.fc2.com/blog-entry-49.html

実はこの方法でここまで本格的な建物を造った経験がなくて、さも作り慣れているように語っていながら本当はものすごく不安な気持で制作していたのは今だから言える事実(爆)

まぁそんなこんなで作り上げた作品「悪役1号」はこれです!


あくやく1


あくやく2



建物をなぎ倒しながら突き進む悪役1号の勇姿!
そして逃げ惑う豚兵士・・・・流石にイラストそのままの街では折角の悪役1号の姿が煉瓦のガレキで見えなくなってしまいますので、よりキャッチーな街のシンボル的な建物に置き換えました。

こちらのブログでいろいろ紹介している過去の作品において、頻繁に使用されている「樽」デザインの花かごはこの時の作品が初のチャレンジでした。ちなみにホームセンターで売られている樽をカットしたようなデザインの園芸用の植木鉢を適度な高さになるようにカットしたものです。

ドドドドド!!!!!!!!!!!!

地響きをたてながら突き進む悪役1号!迎え撃つ敵は皆無。

サーチライトは LEDをセットして発光するように加工しています。
 前方にあるドーザーブレードは設定画同様に前にせり出せるようになっています。

あくやく4


戦車がアタックして飛び散る建物の石材!

非常に古典的な手法ですが1つ1つに真鍮線を差し込んで空中に浮かせています。

あくやく5


戦車が突き進む手前の緑の部分は市民公園という設定。木をなぎ倒しながら突き進みます!


あくやく3


そして逃げまどう豚兵士!宮崎駿さんのイラスト参考にエポキシパテでスクラッチしました!

あくやく7



そしてこちらもイラストどおりの装甲車!ちゃんと運転席には豚さんが載っています。


あくやく6



この世界の住民は豚。ですから、よくある噴水の出水口はライオンの口ではなく・・・・


豚の鼻!!

あくやく8


妄想回路をフル回転させてジオラマの世界観を楽しみながら造りました。


さて、このジオラマが掲載されているアーマーモデリングは以下
非常に読み応えのある作例がてんこ盛りで掲載されており、特集である現行欧州戦車に興味が無い方でも十分に楽しめます。ただし・・・非常に古い(2005年)の雑誌ですのでバックナンバーがあるかどうか・・・

悪役アーマー1



悪役アーマー2



悪役アーマー3




例のモデルグラフィックスの宮崎さんのイラストコラムの最後にはこんなおちゃめなオチが書かれています。





モデグラ3




20年前で2億円!!。アカデミー受賞監督になられた宮崎監督に今依頼したら

・・・・いったいいくらで作っていただけるのでしょうか?

頑張って宝くじでも買うしかないかな?

●超オススメ!今回作例に使ったアスカモデル(社名が変わりました)の1/72スケールのプラモデル。




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世界1有名な架空戦車/悪役1号




宮崎駿さんの作品に出てくるメカをファンの間では「宮崎メカ」と称しています。

本当に魅力的な宮崎メカはオリジナルでデザインしたものはもちろんの事、実在したものやそれをアレンジしたもの、陸海空でいろいろありますよね。
そんな宮崎メカの中でもっとも有名なのは・・・


ひとそれぞれ個人的な思い入れで左右されるかもしれませんが「天空の城・ラピュタ」に登場するロボット兵ではないでしょうか?

東京・三鷹にあるジブリ美術館では原寸大で再現されているものもありますし、 AFVモデルのメーカーであるファインモールドからなんとキットも発売されています。



私もこのデザインは大好きで、過去にビネットを製作しています!



ロボット2



紅の豚に出てくる真っ赤な飛行艇・サボイアS.21試作戦闘飛行艇、未来少年コナンに出てくる飛行艇・ファルコン、風の谷のナウシカに出てくる”ガンシップ”やトルメキア軍の”コルベット”、2次大戦中のドイツの輸送機ギカントに良く似た空中戦艦”バカガラス”・・・やはり宮さんは飛行機が好きなようですね。

どれもジオラマ化したい素敵なデザイン。いつか実現したいですね。



しかし...


やはりタイヤものが好きな私としては・・・・


私がもっとも好きな宮崎メカといえば,
やはり「悪役1号」なのであります!!


ファンならば説明不要のこの戦車はタスカから1/72スケールでキットが発売されている架空多砲塔戦車なのですが、
この戦車は・・・・いったいなんでそんなに名が知られているのか??
宮崎アニメを目を皿のようにしてもどこにも登場しません。。。
では一体、なんなのさ?????




それはモデルグラフィックス1985年の1月号、創刊なんと3号という極々初期の模型雑誌にたった1度掲載されただけのイラストでしかありません。(正確にいえば、その後にムック本「宮崎駿の雑想ノート」が販売されていますが)



私が中学生の頃に創刊されたモデルグラフィッスですが、それまではモデルアートとホビージャパンしか模型雑誌がなくて、どちらもちょっと堅い大人の模型専門雑誌というイメージがありました。しかし創刊されたモデルグラフィックスは内容がくだけていて、しかも写真が綺麗で大きな A4サイズというのがかなりおしゃれで新しく見えましたね。

この号を今回改めて読み返してみたのですが、表紙にあるゴジラはファンドによるスクラッチ、特撮特集としてゴーストバスターズのマシュマロマンもスクラッチ、エルガイム特集でのフュギュアもスクラッチ、ルパン三世カリオストロ特集でのフィアット500も1/48サイズでスクラッチ、ハリ師カズやんの恐竜でっせ!のコーナーでも恐竜2体をスクラッチ、
妖怪モデリングコーナーでは天狗をスクラッチ・・・・

掲載作例の半分以上はフルスクラッチによる造形をさらりと当たり前のように紹介している(!)そんな時代。


もちろん、それに感化されない訳にはいかずに丸坊主の中学時代の私はファンドによるゴジラや他の東宝怪獣のスクラッチや一部シリコンゴムの型取りなど、今の技術のほとんどをチャレンジ習得してしまったのでありました。。。
今のアラフォーモデラーはそんな時代を生きて来た人たちですよね。


・・・・ものすごく脱線してきたので本題に(笑)

この創刊されたばかりのモデルグラフィックスには夢のような連載ページがありましてそれがこの「宮崎駿の雑想ノート」シリーズだったのです!

陸海空のかつて活躍した兵器を、ストーリー仕立てで解説していくコーナー。
これは今では考えられない夢のような掲載です。(比較的時間があったんですね、この頃の宮さんは)

その雑想ノートのVol.3が「多砲塔の出番」とタイトルがつけられた戦車のお話。その中で妄想が爆発してかきあげた完全オリジナルな戦車が「悪役1号」だったのです。


悪役1号見開き


なんと緻密なイラスト!しかも車内断面図も書き上げられていて、もうこれで映画が撮られるんじゃないかと皆が期待してしまう内容になっていました。結果として未だに映像化はされておりません。コンセプトはハウルの動く城につながったのかもしれませんね。


モデグラ悪役1号



これをみた荒木少年はいつかこれを作ってみたい・・・・と
妄想すること20年、なんとインジェクションキットで発売される時代が来るとは・・・・(涙)



タスカ悪役





して私も妄想回路フルスロットルで作り上げた悪役1号がこれです!


悪役1



いきなり変化球で宮崎さんのオリジナルの迷彩とはちがってグリーンのカラーリング???

でもこれもいいでしょ?


理由は、これはかつてアーマーモデリングで依頼された作例だったのですが、その際にアーマーでこの悪役1号を盛り上げようと3回連続作例というのを企画していたその三回目のとりが私のジオラマだった訳です。前作2つはオリジナルの茶色系迷彩でまとめていたので、いくらなんでももう同じ土俵では勝てんなと思い、最後は思いっきり変えてみたのでした。

悪役3


一番キモになる砲塔ですが、タスカのキットはちょっとつぶれ気味。上記のイラストの左隅の正面図の雰囲気が自分の中ではベストだったので、砲塔を3mmかさ上げしてボリュームをだしています。


悪役5



これだけの多砲塔の造形物は戦車というよりも地上を走る戦艦。その印象を強める為に後部上面には木の板を張った甲板と手すりを追加工作してみました。かなり模型的な地密度が上がったとおもいます。戦車のような鉄のかたまりの造形物は木だったり布だったり鉄とはまったく正反対な素材を組み合わせるといい変化を産み出します。

後部に配置あれた巨大なソリのような造形物は第一次対戦の戦車によくついている塹壕を越える際に落ちないようにする装置。


しかしこれだけデカイ戦車だとあまり意味はなさそうですね(笑)

悪役6


イラストにもあるこの戦車のリーダー・バークシャー連隊大佐!

設定通りに戦車からするする延びる司令塔。
勇ましくサーベルを振り上げて指揮を撮るバークシャー大佐はエポキシパテによるスクラッチです。

悪役7



本当に楽しめるいいキットですよ。

次回はジオラマとしての完成状態を紹介いたします!




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イラストと写真を織り交ぜて、ジオラマ作りの考え方や作り方、保存の仕方、写真撮影、SNSでのアピールの仕方など重箱の隅を突くように執筆した本です。現在6刷突入で2万冊突破で好評発売中です!




                 
※2015年に発売された私の初の作品/エッセイ集「凄い!ジオラマ」をカラー写真2倍に増量+本の多さアップで生まれ変えた「凄い!ジオラマ[改]ジオラマ作りの楽しさを文章と写真で楽しめる本です!2018年11月発売



                

                 

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プロフィール

情景師・アラーキー

Author:情景師・アラーキー
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■ 情景作家
■ 1969年生 居住地:東京・杉並 

「日常にあふれるさりげない光景」を立体化する事が得意なオールラウンドジオラマ作家。昭和ノスタルジーからアニメシーン再現まで製作範囲の守備範囲は無限。むしろ挑んだ事がない題材を与えられると燃えるタイプです。

「生み出すものに魂を込めて作る職人のようにありたい」・・・と願って「情景師」を名乗っています。

<過去の作例活動経歴>
●電撃ホビーマガジン
●電撃スケールマガジン
●モデルグラフィックス
●アーマーモデリング
●モデルカーズ
●パンツァーグラフ
●エクストラマガジン
(スペインの模型雑誌)

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(製作事例:CM、テレビ撮影用、展示会用、トイの商品開発用、企業ノベルティー等)
・ジオラマ制作についての相談&質問もお答えします
・展示会等での作品貸し出しもしております。
・TV,雑誌,Web取材等の随時受付中。
<出演事例>
・おはよう日本(NHK)
・めざましTV(フジテレビ)
・タモリ倶楽部(テレビ朝日)
・怒り新党(テレビ朝日)
・情報ライブミヤネ屋(TBS)
・まにあマニアル(BS日テレ)
・王様のブランチ(TBS)
・lifeサプリ(BS日テレ)
・経済ビジネスライン(BSNHK)
<雑誌取材事例>
・週刊新潮
・週刊アスキー
・女性自身
・ホットペッパー
・ビーコン

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