2021年2月17日に私が執筆した5冊目の本
『ステキな広告ジオラマ』が発売されました!
発売からすでに3ヶ月が経過して売れ行きもそこそこ順調です!
「そこそこ」‥‥
というのは、具体的な売り上げの冊数もそうですが、この本が今までの本と少しコンセプトが異なる内容で受け手の戸惑いもあると察しているからです。
書店さまもこの本をどこのコーナーに置いていいのか迷うのではないかと思っています。私の本なので趣味/実用のコーナー、模型本のコーナーでしょうが、果たして‥
今年のGWに全国各地のイオンモールでジオラマ展を開催しまして、その際にイオンモールさんに入っていた書店さんで大々的に扱っていただき初めて並んでいる様子を見ました。やはり自分の本が並んでいる姿を見るのは嬉しいです。
(写真はイオンモール上尾 『未来堂書店』さまにての群展示。ジオラマ展が終了しておりますので今はないと思います)
売れ行きは、出版社の私の担当者に逐次聞いておりまして、今までの他の本は発売後に直ぐに重版になる評判だったことと比較ゆっくりではありますが、ロケットスタートではない長く売れる本になればいいなと思っております。
本の内容は私がジオラマ作家として2015年に独立してから2020年までの依頼仕事で制作したジオラマを紹介した写真エッセイ本。
コンセプトは最初に執筆した本「凄い!ジオラマ」(現在は凄い!ジオラマ[改]にて発売中)に似た写真半分文章半分のような構成。模型系の本とみると文章は多めなのですが本のデザイナーのおかげでそれを感じさせない写真満載の私らしい模型本のように完成させてくれました。
と書きながら、この本は果たして「模型本なのか?」
5年前、ジオラマ作家として独立するもそれまで23年間働いていたのはプロダクトデザイナーという業種であり、その分野から独立した人はそれまでのスキルを活かして、個人デザイン事務所を立ち上げるとか、他の会社でデザイナーとして手腕を発揮するとかそういう生き方がほとんどでした。しかし私は趣味を仕事にしよう!というドリーマーであり、しかもジオラマで食べていけている人があまりいない分野、この先何が待ち受けているかまったくわからない、仕事があるのかさえ分からない深いジャングルに45歳というおじさんが夢と希望だけで探検に入ったようなものですので、自分でもこの無謀な生き様を何とかして世に伝えなけれな!と思って執筆したのが今回の本です。
故にこの本は、私は「ビジネス本」だと思っておりまして、趣味を仕事にしたい!と思っている人やクリエイターとして食べていきたいと思っている人に向けてのヒントを盛り込みたいと考えました。最初からフリーランスで生きてきた人には当たり前のスキルはサラリーマンを経験した後には「・・・こんな事まで自分でやらないといけないのか?!!と驚くことばかり。もっとも面倒な「確定申告」のことなど毎年2〜3月頃にSNSでその苦労や解放を喜ぶ姿勢などよほど面倒な話なんだろうなとか。。。ちなみに、私は、税理士にお願いして丸投げするという選択をしておりまして、その苦労は軽減しています。この本では「餅は餅屋に任せる」という選択もありだということも書いています。
ちなみに、脱線しますがフリーランスの税金のことはこの本がオススメです。全編漫画で読みやすく分かりやすい良書!
さて話戻して、ステキな広告ジオラマの構成は、今までのジオラマ本のように作品写真満載&のHow to記事も満載なので、一見するとそれほど他のジオラマ本とは変化がないようにも思えます。
(事例掲載:千値練 メカトロウィーゴの秘密展より)
しかし、それぞれの仕事の内容を記述したページ冒頭には、どこからどのような方法で依頼があって、それをどういう交渉と契約を結んで何日で制作したという流れが書いてあります。例えば広告の詳細を記述した月刊誌や季刊誌はいくつかはありますがアウトプットや制作の裏舞台が書かれていることがほとんどだと思います。しかし、独立して仕事として成立させなければならないフリーランスにとってはどちらかといえばどうやって仕事を取ってきて、途中にどんな苦労があって納品までこぎつけるのか?を知りたいのでは?と思うのです。
この本ではマネージャーがいるわけではないフリーランス作家が、依頼主との交渉をそれぞれのエピソードを紹介しつつまとめています。
最も知りたい具体的な金額など、残念ながらそれぞれの制作費(受注額)まではかけませんでした(まぁ業界的にいろいろとありますので)
タイトル『ステキな広告ジオラマ』は、今回もプロデュースをしてもらった石黒謙吾さんがつけてくれました。
最初にタイトルがスパッと思いついたようで、今までの私の仕事をまとめた本を出さないか?と数年前に打診があって直ぐに快諾!まだその頃は仕事の実例も少なかったのでもう少し溜まってからにしようと思いまして、ようやく2020年になってから編集作業を始めました。
しかし、作業をすすめていくうちに私はこのタイトルに次第に疑問を持つように。
それは依頼されて制作したジオラマは必ずしも広告系がばかりではないからです。
ジオラマ作家にこの5年間にどんな種類の仕事があったのか?
それは自分でも予想しなかったほどに多種多様な仕事がありました。大手の広告代理店からのCM用のジオラマ制作から、国からの依頼での大袈裟にいえば「国家プロジェクト」まで!
その国家プロジェクトとはこのブログでも紹介している東日本大震災での復興事業の一端で、津波で失われた町のシンボルの「常磐線新地駅をジオラマで復元する」仕事。
http://arakichi.blog.fc2.com/blog-entry-211.htmlこの仕事は復興というとても重要な内容ですが、それを紹介する本のタイトルの「広告」という意味とのギャップに違和感を持ったのでした。いろいろと代替え案を提示して、私が出した一つの結論は宣伝という言葉。
『ステキな宣伝ジオラマ』というのはどうか?と。
この復興事業も、地震で被害にあった福島県新地町の復興事業を広くこの活動を「宣伝」するという意味でもあると、広告という言葉の軽さ(個人的な見解です)よりもマッチするのではないかと考えを伝えました。確かに意味は同じ「広告と宣伝」。こうこくという言葉の響の軽さよりもせんでんという言葉のリズムと力強さの方がいいと。
しかし、世の中ではもう宣伝という言葉はあまり使われていないことと、本のタイトルとしてはインパクトが薄いということで、最終的には私も納得して『ステキな広告ジオラマ』になりました。
しかし‥‥いまだに「広告」には興味ないわ!と最初の印象で一蹴されているのでは?という心配もまだありますが、やはり「餅は餅屋」で出版のプロの言葉を信じてお任せすることにしました。
このブログでも数々のお仕事で制作したジオラマの紹介をしましたが、それらの一部がまとめられています。
トヨタファイナンスさまのCM用のカードサイズのジオラマとか!
学生時代に何度か行ったことがあるスキー場、ガーラ湯沢の駅貼りポスターだとか!
それぞれに思い入れと深い思い出があります。
そんな数々の仕事事例の中でも特に印象深いのは、少年サンデーさんからの依頼で制作した漫画『だがしかし』の主人公の店「シカダ駄菓子」を紹介できたこと!
この駄菓子屋のジオラマは、制作依頼を受けた時に漫画の駄菓子屋を立体化するにあたり、せっかく私が作るのだがらリアリティーを与えたいと考えて、日本家屋の構造から考え直して制作(故に漫画の建物は結構矛盾があることが判明)、店の中の駄菓子も詳細に調べて作り込みました。イベントの展示用として制作、その後は漫画原作者にプレゼントされたようです。当たり前ですが悲しい事実として、仕事として作ったジオラマは納品されてしまうと手元に残りません。しかし、制作途中で撮りためた数々の写真もありますし、いっそのこと書籍として手元に残すことは可能だ!とそのHOW TOの記事をまとめて本にしたいと小学館に提案。原作者にも快諾していただき、いざ本格的に書籍化スタートするものの・・・版権などいろいろなハードルの高さで結果的に企画中止に。
非常に残念でなりませんでしたが、転んでもただでは起きたくない私の性格、そのノウハウを生かして一からオリジナルの駄菓子屋を作って記事にした本『駄菓子屋の超リアルジオラマ』が誕生するきっかけになったのです。
しかし、やはりこのジオラマのことはなんとか書籍として残したいという思いはいまだに消えず。そこでこの本で「ジオラマの仕事の紹介本としての1事例」という変化球で漫画の版元である小学館に打診し、なんと許可をいただきました!
最後まで諦めずにやっとリベンジできたことが嬉しい!!!!!
どうしても他の仕事の紹介内容のページ数の関係でたっぷりとはいきませんが、記録として残せたのは本望です。
それぞれの紹介記事は、依頼をしていただいた方へ内容確認をしていただておりますが、あまりにも赤裸々に書きすぎてオブラートに包むようにお願いされたりしながら(攻めすぎました)書き上げました。
2020年は、新型コロナウィルスの影響が大きく、私も後半は、パタリと仕事依頼が途絶えてしまい、「もしかして来年以降は経済の悪化で仕事がまったくなくなるのでは?」と少し不安に感じながらも、この本の執筆にじっくり時間が割けたので、ポジティブに捉えていいステイホームになりました。
2020年といえば、このブログで書こう書こうと思いながら棚上げしてしまった、長年の自分の夢が叶ったお仕事も紹介されています。
それは「仮面ライダーへの仕事の参加」!!!!!
初代仮面ライダーは1971年4月3日に初放映されました。なんと私の2歳の誕生日!幼い記憶ですが仮面ライダーのかっこよさはしっかり覚えています。その仮面ライダーに仕事として参加できる!!!!
現在放映中の『仮面ライダーセイバー』の主人公は小説家であり、自分の夢を詰め込んだ書店を経営しています。その書店の中央には自分が見た夢を立体化した巨大なジオラマが置かれています。このジオラマのデザインと制作(仕上げ)を担当したのです!しっかりスタッフクレジットにも私の活動名「情景師アラーキー」が刻まれております!
これも書籍として記録に残せたのは本当に嬉しい!!!!
5年間のジオラマの仕事、14事例が紹介されていますが、実際に受けた仕事はその倍以上あります。
それぞれに印象的なエピソードとアウトプットがありましたが、今回は厳選して14事例を選びました。
ブログ更新が途絶えていたのは、この本の執筆や上で紹介した仮面ライダーのジオラマがかなり突貫だったこともありつつ、独立して5年間フルストットルで仕事をしてきたのが原因か、すこし体調がすぐれない日々が続いたのもあり....。ブログにも少し書きましたがあるジオラマのアミューズメントパークの仕事が忙しすぎて、また健康管理を怠っていたので喘息になってしまい、あまりに体調がすぐれないのと呼吸の苦しさからコロナを疑いましたが、結論としては喘息でした。体調不良を発症した時にはコロナウィルスが一気に蔓延した頃であり、近所の行きつけの診療所も診察を渋るような事態(保健所に連絡してから診察にきてくれとか)だったこともあり、GW明けにやっと世間のコロナに対する過剰反応が落ち着いてから診察&治療開始したので治療が長引いてしまいましたが今はなんとか完治しております。フリーランスは健康管理も自分で行わねばなりません。そういえば・・・そういう話、本に書き忘れました!(大切な話です)
発売されて3ヶ月後にようやく新刊の記事を書くとかなんとものんびりですが、2021年の最初のブログ記事でした。
自分の活動の記録ですので以後はマメに書きたいと思います。
ご興味があれば是非『ステキは広告ジオラマ』よろしくお願いいたします。
※以下にアマゾンのリンク先がありますが、もしもそちらで買われた方、もちろん書店で買われた方も感想(レビュー)を書いていただければ以後の本作りの参考と励みになりますのでよろしくお願いいたします。
<定期PR>※2021年2月11日発売
2015年にジオラマ作家として独立してから5年間に受注した仕事をまとめた写真エッセイ集。今までのジオラマ本のように作り方のHow to 記事も盛り込みながら、それぞれの仕事をどのように受注してアウトプットしたかを綴ったビジネス本として執筆しました。
好きな事を仕事にしたいクリエイター志望の方へのヒントになれば!※2019年4月10日発売
失われつつある昭和の駄菓子屋を1/24スケールで徹底的に作り込み、その作り方を図面、写真で超解説したジオラマHOW TO 本。和風日本家屋の構造解説でドールハウスや鉄道模型などのジオラマ作りの参考になります!
※2016年8月に発売された私の初のジオラマHow to写真集「作る!超リアルなジオラマ」
イラストと写真を織り交ぜて、ジオラマ作りの考え方や作り方、保存の仕方、写真撮影、SNSでのアピールの仕方など重箱の隅を突くように執筆した本です。現在6刷突入で2万冊突破で好評発売中です!
※2015年に発売された私の初の作品/エッセイ集「凄い!ジオラマ」をカラー写真2倍に増量+本の多さアップで生まれ変えた「凄い!ジオラマ[改]ジオラマ作りの楽しさを文章と写真で楽しめる本です!2018年11月発売
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