独断的映画感想文:ぜんぶ、ボクのせい
日記:2024年8月某日
映画「ぜんぶ、ボクのせい」を見る.
2022年.監督・脚本:松本優作.
出演:白鳥晴都(松下優太),川島鈴遥(杉村詩織),松本まりか(松下梨花),仲野太賀(片岡),片岡礼子(中川千里),木竜麻生(宮本由美香),オダギリジョー(坂本健二).
優太は児童養護施設で暮らす13歳の中学生,中学生になったら母と会えると云われてきたがその気配はない.ある日偶然母親の住所を知った優太は,脱走して母の住む千葉県の海辺の町にやってくる.母と巡り合うも,母は男に依存して暮らす自堕落な女だった.
翌日には通報され施設から職員が迎えに来る.優太は脱走し,海辺に住むホームレスの男・坂本と一緒に暮らすことになる.坂本は優太の金を巻き上げたり如何にもだらしない男だが,優太を受け入れ二人の共同生活が始まる.時々女子高生の詩織がやって来て差し入れしてくれ,暫く話し込んでいく….
坂本は軽トラックで名古屋に行く途中エンジントラブルを起こし,修理する金もなくここに居ついている男,名古屋に何をしに行くのかは定かではない.詩織は裕福な家庭の子だが幼い時亡くなった母が自殺ではないかと考えており,医学生の姉と父との暮らしに居場所なく,チンピラと遊んだり援助交際に走ったりしている.優太はここでは暇な時は絵を描いて暮らしている.
俳優は白鳥・川島の二人とオダギリジョーが圧倒的に良く,3人の演技を見る映画と言って過言ではない.白鳥の演技(特に眼の演技が素晴らしい)と川島の笑顔,オダギリジョーの味が絶品.仲野太賀も良い感じだった.映画全体としては隙も多く,修正すべき点・ありきたりな点も感じられたが,大人しく内気な優太が感情をあらわにする場面(母に決定的に捨てられるシーン,ラストシーン等)が印象に残った.エンディングに流れる大瀧詠一の「夢であえたら」も素敵.
★★★☆(★5個が満点).
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