独断的映画感想文:リスペクト: なんか飲みたい

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2023/01/13

独断的映画感想文:リスペクト

日記:2023年1月某日
映画「リスペクト」を見る.5_20230131120401
2021年.監督:リーズル・トミー.
出演:ジェニファー・ハドソン(アレサ・フランクリン),フォレスト・ウィテカー(C.L.フランクリン師),マーロン・ウェイアンズ(テッド・ホワイト),メアリー・J・ブライジ(ダイナ・ワシントン),オードラ・マクドナルド(バーバラ・フランクリン),タイタス・バージェス(ジェームズ・クリーヴランド師),マーク・マロン(ジェリー・ウェクスラー),スカイ・ダコタ・ターナー(幼少期のアレサ),ヘイリー・キルゴア(キャロリン・フランクリン),セイコン・セングロー(アーマ・フランクリン),ヘザー・ヘッドリー(クララ・ウォード).3_20230131120401
アレサは幼少時から,伝道師で歌手でもある父の巡業に同行して歌を歌っていた.母は離婚して別居していたが,月に一度ゴスペル歌手でピアニストでもある母の家に行くことが,アレサには無上の喜びだった.しかし母はアレサが幼いうちに急死してしまう.父の家には様々な男女が出入りし,アレサは12歳の時に妊娠し子どもを産む.子どもは曾祖母にあたるバーバラが面倒を見た.
アレサは16歳の時に父の勧めで歌手デビューをするが,何でも歌える器用さが災いしてヒットには恵まれなかった.19歳のとき父の反対を押し切りマネージャーのテッド・ホワイトと結婚する.24歳の時アレサはアトランティック・レコードに移籍,敏腕プロデューサー:ジェリー・ウェクスラーは彼女のゴスペル性を重視し,アラバマのフェイム・スタジオで録音を開始する.この方針が当たり,彼女は待望のヒット曲を連発,25歳でオーティス・レディングのカヴァー「Respect」で全米1位を獲得した.しかしテッドの暴力により結婚は破綻する….2_20230131120401
アレサ・フランクリンの半生を描く音楽映画.その波乱に富んだ人生を,1972年ロサンゼルスのニュー・テンプル・ミッショナリー・バプティスト教会で行われたゴスペル・アルバム「Amazing Grace」のライブ録音まで綴る.このライブでアレサは父と和解,アルバムも大成功を収めた.またこのライブ映像は,2018年に「アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン」として公開されている.4_20230131120401
この映画ではなんと言ってもジェニファー・ハドソンの歌唱が感動的.彼女は歌唱録音のライブにこだわったと云う.つまりこの映画の歌唱は,スタジオ録音のアフレコではなく,全て撮影現場のライブ録音なのだ.1_20230131120401
更に音楽が生み出されていく過程の描写が素敵.フェイム・スタジオでの録音,ミュージシャンにアレサがピアノを弾きながら主題とリズムを示す.そこにベースがベースラインで参加,ギター・ドラムスが加わっていき,最後にブラスセクションも参加する.このスリリングなシーンが素晴らしい.同様なシーンは「Respect」の録音場面でも見られ,ここではアレサが歌い始めると,バックコーラスを担当する二人のアレサの姉妹が即興で,目を見張るようなコーラスをつけていく.音楽が生まれる瞬間がいずれも感銘的だ.エンドロールに流れるアレサ自身が歌う「ナチュラル・ウーマン:(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」も印象的.誠に見応え・聞きごたえのある映画.
★★★★☆(★5個が満点)
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