独断的映画感想文:とんび: なんか飲みたい

« 独断的映画感想文:子供はわかってあげない | トップページ | 独断的映画感想文:ケイコ 目を澄ませて »

2022/12/22

独断的映画感想文:とんび

日記:2022年12月某日
映画「とんび」を見る.1_20221226163101
2022年.監督:瀬々敬久.出演:阿部寛(市川安男),北村匠海(市川旭),杏(由美),安田顕(照雲),大島優子(幸恵),麿赤兒(海雲),麻生久美子(美佐子),薬師丸ひろ子(たえ子).
昭和37年,瀬戸内海に面した備後市.市川安男は体格に恵まれた一本気な男,父母を知らず叔父夫婦に育てられた身だが,街の運輸業に勤め従業員にも街の皆にも知られた男だ.愛妻の美佐子との間に一粒種の旭が生まれ,ますます張り切る安男.2_20221226163101
ところがある日,職場に来た旭の目の前で荷崩れ事故が起き,かばった美佐子は帰らぬ人となる.安男は寺の和尚海雲と息子の照雲夫婦の助けも借り,男手ひとつで旭を育てる.思春期の旭との間に生じる葛藤も乗り越えたが,旭は早稲田進学のため東京に行くことになる….3_20221226163101
重松清の原作の映画化.安男と旭の父子関係を軸とした物語.なんと言っても阿部寛の体躯と個性がこの映画を成立させている,それが誠に魅力的な映画.安男が乱暴者でめちゃくちゃな男ながら,皆に愛され力添えを受ける訳が,阿部寛の安男を見ていると良く判る.安男は体を張って先頭切って働き,仲間を領導する人物だ.5_20221226163101
一方,一本気な余り喧嘩は絶えず理不尽な暴力に及ぶこともある.安男が美佐子と結婚して,街中の人が一安心したのではないかというのも想像に難くない.その忘れ形見旭と安男への周囲の愛情も,共感せずにはいられない.しかし旭が一人の男として歩き始めた時,安男の胸中はどうだろうか.物語はさらに,旭が年上の子連れの女性と結婚を決意して,最終局面へと進む.6_20221226163101
周囲を固める俳優もいずれも手練れぞろい,安田顕,薬師丸ひろ子,大島優子らが存在感ある好演.見て損はなし.しかし麻生久美子って,いつも旦那に愛される妻なのにはかなく死んでしまう役をしているような気がする(まあ見たのは「散り椿」くらいですけど).
★★★★(★5個が満点).
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
ブログランキング・にほんブログ村へ
人気ブログランキングへ


« 独断的映画感想文:子供はわかってあげない | トップページ | 独断的映画感想文:ケイコ 目を澄ませて »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 独断的映画感想文:子供はわかってあげない | トップページ | 独断的映画感想文:ケイコ 目を澄ませて »