独断的映画感想文:怪盗ルビイ
日記:2022年6月某日
映画「怪盗ルビイ」を見る.
1988年.監督・脚本:和田誠.
出演:小泉今日子(加藤留美),真田広之(林徹),水野久美(徹の母),加藤和夫(徹の会社の上司),伊佐山ひろ子(徹の会社の年上の女),天本英世(食料品屋の親父),高見恭子(買物帰りの女),吉田日出子(銀行の係の女),斎藤晴彦(宝石店の店長),奥村公延(マンションの管理人),岡田眞澄(マンションの住人・男),木の実ナナ(マンションの住人・女),陣内孝則(留美の恋人),富士真奈美(アパートの主婦),秋野太作(刑事),名古屋章(白衣の男).
母一人子一人で暮らすサラリーマンの徹,ある日アパートの1階上の部屋に留美が引っ越してくる.引越しの手伝いをしたことで打ち解けた二人,スタイリストだという留美はしかしこれからは泥棒として暮らすのだと打ち明け,犯罪計画に協力するよう徹に迫る.いたって真面目で小心者の徹はしかし留美の魅力に抗えず,二人は怪盗コンビを組んで犯罪の成功者を目指すが….
徹の真面目さと生来の勘の悪さがたたり,周到に練られた犯罪は全く成功しない.赤字がかさむばかりで犯罪は成立さえしない.おとぎ話のような映画だからこれで良いのだが,それよりも,嬉しそうにこの映画を撮っている和田誠の姿が目に浮かぶようなしゃれた展開が,小泉今日子と真田広之という格好なコンビを得て,最後まで楽しめる映画.
映画にはあちこちに名画へのオマージュ的場面が仕組まれ(全てを正確に指摘することは小生には到底不可能ですが),それも楽しい.主人公二人が突然歌い始める中盤のミュージカルシーンも,なかなか見事な出来.隅々にまで和田誠の神経が行き届いた小粋な映画,一見の価値あり.
★★★★(★5個が満点).
蛇足:本編はWOWOWの小泉今日子特集で見たのだが,始まる前に小泉今日子が撮影時の思い出を語る場面があり,これも一見の価値があった.
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