独断的映画感想文:さらば愛しきアウトロー: なんか飲みたい

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2020/08/30

独断的映画感想文:さらば愛しきアウトロー

日記:2020年8月30日
映画「さらば愛しきアウトロー」を見る.1_20200830205401
2018年.監督:デヴィッド・ロウリー.
出演:ロバート・レッドフォード(フォレスト・タッカー),ケイシー・アフレック(ジョン・ハント),ダニー・グローヴァー(テディ),ティカ・サンプター(モーリーン),トム・ウェイツ(ウォラー),シシー・スペイセク(ジュエル).2_20200830205401
映画の冒頭は,1981年7月アメリカ・テキサス州の地方都市.
銀行の窓口でカバンを受け取ったフォレストは,警察無線を聞きながら車で逃走.路肩でエンコしていたジュエルの車の脇に停車して,面倒を見てやる.その傍らを急行して通過するパトカーの群れ.まんまと追跡をやり過ごしたフォレストは,ジュエルをダイナーに誘い珈琲を共にし,連絡先を交換する.ジュエルは3頭の馬と1頭の犬と穏やかに暮らす未亡人だった.4_20200830205401
1ヶ月後,ダラス警察の刑事:ジョン・ハントが子供を連れて銀行窓口にいると,フォレストが入ってくる.フォレストは支店長に面会を求め,支店長室でスーツの左を開けて拳銃を見せカバンを渡す.支店長はフォレストの指示通りカバンにお金を詰め,フォレストは静かに退出.ここで初めて支店長は強盗に襲われたことを,店内の客に明らかにする.
フォレストは相棒の用意した車に乗り換えまたもゆうゆうと逃亡.ハントはフォレストの一味の担当を命じられ捜査に乗り出すが,被害者はすべてフォレストが「紳士的」で「幸せそう」だったと証言する.一方フォレストはジュエルと親しくなり,その家に招かれる….
「ほぼ」事実に基づく物語.フォレストは13歳で窃盗デビューしたプロの犯罪者で,16回の奇想天外な脱獄の成功者でもある.銃は持っているが撃ったことはない.フォレストは犯罪を楽しんでいるタイプなのだ.一方,刑事稼業に屈託していたジョン・ハントが,そのようなフォレストの担当となってやりがいを感じ張り切り始める姿も並行して描かれる. 3_20200830205401
俳優はこの映画を俳優としての引退作と宣言したロバート・レッドフォード他,ケイシー・アフレック,シシー・スペイセクらが好演.それぞれの年輪を重ねた俳優たちの演技が,誠に見応えあり.5_20200830205401
映画らしい表現に富んだ映画,例えば映画後半でジュエルを車で自宅まで送ってきたフォレストのシーン.そのまま別れ自宅に入るジュエル.しかし思い直して再びドアを開けると,そこにフォレストが立っている.フォレストはそっとジュエルに口づけするとそのまま去っていった.入り口で見送るジュエル,車の尾灯でその微笑んだ顔が一瞬赤く染まる….とても良いシーンです.
★★★★(★5個が満点).
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