独断的映画感想文:人間失格 太宰治と3人の女たち
日記:2020年8月某日
映画「人間失格 太宰治と3人の女たち」を見る.
2019年.監督:蜷川実花.
出演 :小栗旬(太宰治),宮沢りえ(津島美知子),沢尻エリカ(太田静子),二階堂ふみ(山崎富栄),成田凌(佐倉潤一),千葉雄大(太田薫),瀬戸康史(伊馬春部),高良健吾(三島由紀夫),藤原竜也(坂口安吾).
二人の子供と身重の妻・美知子を抱えながら,重篤な肺病をおして酒に溺れ,愛人との恋愛沙汰に身を投じる太宰治.小説の題材のため太田静子の恋の求めに応じ,彼女の日記を見せてもらう一方で,山崎富栄との恋にも踏み込む.疲れ果てて自宅に戻ると,美知子からはあなたはもっと凄いものが書ける人ですと,叱咤される….
こう粗筋を書いてくると,どうしても太宰治の映画とは思えない.これは太宰治のパロディ化か,太宰を題材にした監督固有のアートなのか.
太宰の文学とか「人間失格」の内容とかは,この映画では扱われていない.印象に残ったのは,きらびやかで原色系の色彩感覚と,止むことのない咳の音くらいである.
若手の俳優たちも精彩がなく,映画同様の薄っぺらい印象しか残らなかった.一方宮沢りえは格の違いを見せつけた感じだが,こんな映画に出る必要があったのか疑問.2時間がこんなに長く感じた映画も,久しぶりだ.
★(★5個が満点).
人気ブログランキングへ
コメント