独断的映画感想文:きみの鳥はうたえる
日記:2020年5月某日
映画「きみの鳥はうたえる」を見る. 2018年.監督:三宅唱.
出演:柄本佑(「僕」),石橋静河(佐知子),染谷将太(静雄),足立智充(森口),山本亜依(みずき),萩原聖人(島田). 「僕」は函館の書店で働く若者,友達の静雄とアパートで同居している.
ある日同僚の佐知子に飲みに誘われるが,結局行かず仕舞い.ところが翌日会った佐知子は特に気にした様子もなく,成りゆきで佐知子は「僕」のアパートに来てそのまま二人は愛を交わす.帰ってきた静雄はそれに気付いて再び出ていった. それから「僕」と静雄のアパートに佐知子は足繁く通うようになり,3人はその夏,しょっちゅうつるんで遊び歩くようになる.佐知子は「僕」に店長との関係を告白し,決着をつけたいと話す.一方静雄は,「僕」と佐知子をキャンプに行こうと誘うが,「僕」は興味がないから佐知子と二人で行くようにと言う…. 佐藤泰志原作の函館を舞台にした映画は,今まで2本見て(「海炭市叙景」「そこのみにて光輝く」)これが3本目.
「僕」は同僚にも誠実さがない適当な人間と思われているが,空気のようにとらわれずに生きていきたいと思っている.静雄は失業中で酒飲みの母親との関係も悪い.佐知子はこの二人の間で微妙な位置にあるまま「僕」の恋人でい続けている. 如何にも映画らしい味わいの映画で,函館市の夜景,夜の街路や波止場,夜明けの街並み等が美しく描かれる.
3人の若者の一夏の映画だが,その刹那感,不安定さ,輝き,疾走感が素晴らしい.石橋静河の美しさと魅力は抗いがたく,ラストシーンでの夕陽を浴びたその表情のアップは印象的だった.柄本佑,染谷将太も期待通り. 題名はビートルズ1966年のアルバム「リボルバー」のB面2曲目の曲「And your bird can sing」に由来する.
★★★★(★5個が満点).
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