独断的映画感想文:最後の忠臣蔵
日記:2011年7月某日
映画「最後の忠臣蔵」を見る.
2010年.監督: 杉田成道.
出演:役所広司(瀬尾孫左衛門),佐藤浩市(寺坂吉右衛門),桜庭ななみ(可音),山本耕史(茶屋修一郎),風吹ジュン(きわ),田中邦衛(奥野将監),伊武雅刀(進藤長保),笈田ヨシ(茶屋四郎次郎),安田成美(ゆう),片岡仁左衛門(大石内蔵助(特別出演)),柴俊夫,佐川満男.
忠臣蔵の討ち入りなった後,寺坂吉右衛門は大石内蔵助に呼ばれ,義士の遺族に討ち入りの事実を伝え遺金を配れとの使命を言い渡される.
16年後にその使命を終えた吉右衛門は,京の街で旧友の姿を見かける.その男は,討ち入り前夜に忽然と姿を消した内蔵助の家士・瀬尾孫左衛門だった.
その孫左右衛門が仕えている少女可音は,大石内蔵助に育てることを命じられた内蔵助の隠し子だった….
共に密命を受け名誉の切腹を遂げられなかった親友2人の忠臣蔵後日談である.
男手一つで育てた可音が嫁ぐまでの二人の絆と主従を越えた心の結びつき,可音を見初めた豪商茶屋四郎次郎の息子との縁談を慎重に進める孫左右衛門の懸命の働き,遂に嫁ぐ日の別れのシーンと思いがけない赤穂旧藩士達の行動.
映画はこういう経過を,寺坂吉右衛門との微妙な距離感のある交流を織り込みながら描いていく.
京都の四季の美しさも含め,その映像は素晴らしい.
役所広司,佐藤浩市は期待通りの演技だが,可音役の桜庭ななみが素晴らしい.
家来であるが父代わりでもある孫左右衛門に,大事に大事に育てられた姫である可音を見事に演じている.けなげで可愛らしく,かつ誇り高い可音に涙を禁じ得ない.
この映画はシルバー世代のお父さんにターゲットを絞っているに違いない.
そういえば最後のシーンは辛いシーンではあったが,これはワーナー資本の差し金で,これ無しには済まないということであろう.
それにしても武士の世界というのは厳しいもの,大石内蔵助の指示の酷さには心が痛む(片岡仁左衛門には怨みはないが).
★★★★(★5個が満点)
人気ブログランキングへ
コメント