独断的映画感想文:THE 4TH KIND フォース・カインド
日記:2010年10月某日
映画「THE 4TH KIND フォース・カインド」を見る.
2009年.監督:オラントゥンデ・オスサンミ.
出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ(アビゲイル・タイラー),ウィル・パットン(オーガスト保安官),イライアス・コティーズ(アベル・カンポス).
アラスカ北部の街ノームに住む心理学者,アビゲイル・タイラー博士.不眠に悩む患者のカウンセリングをすると,不思議なフクロウを目撃したという話が出てくる.
その患者に催眠療法を施すと,口では言えない恐ろしいものを見たという発言が相次ぐ.その患者の一人が銃を乱射し家族全員を射殺して自殺するという事件が起こる.
保安官はタイラー博士の催眠療法が事件の原因だとして彼女を逮捕しようとする.タイラー博士自身も,深夜突然訪れた何者かに夫を刺殺された恐ろしい経験があった.
博士は保安官の疑惑をかわしつつ,事件の真相をあくまで追及しようとする….
この映画は実話に基づくものと言う.ボーナスビデオでミラ・ジョヴォヴィッチ自身がそう断言している.
しかしそこがまさにポイントなのであって,これが事実を告発する映画ならその結末はあまりに救いがない.
見た観客は以後ただ恐怖に怯えて暮らすしかない.
一方これがそうでないなら,つまり事実に基づかないエンタテインメントであったとしたら,ボーナスビデオまで使って観客を騙そうという根性が気に入らない.
まあどちらにしろ気に入らない訳であるが,エンタテインメントなら,最後にうまく騙されたという観客への挨拶が(例えば何らかの形のハッピーエンドなど)あって然るべきだ.
あくまで事実に基づくと主張するなら,こんな救いのない恐ろしい映画で金を取るとは怪しからんと言う気分になる.
映画としては緊張感の維持された悪くない出来だと思うが,物語の救いのなさと上記のどちらつかずの展開が,後味の悪い結果となっている.
「本当の」テイラー博士として出てくる女性はもし俳優なら素晴らしい演技,その不気味で狂気を覗かせる表情が何とも言えない.俳優でないならこの人は普通じゃない.
★★☆(★5個が満点)
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