女刑事・音道貴子が主人公の警察ドラマです。1996年の直木賞受賞作のようです。
深夜のファミリー・レストランで火災が発生した。突然、客席にいた人間が炎上したという。
立川中央署内にこの事件の捜査本部が設置され、警視庁刑事部第三機動捜査隊の警視庁巡査・音道貴子も加わることになった。
貴子は警視庁立川中央署の滝沢保と組んで捜査に当たることとなった。
パートナーとして捜査に当たる二人だったが、男社会の警察組織になかで女刑事の道子と滝沢保との間には大きな軋轢が生まれるのであった。
この事件の数日後、天王洲で大きな動物に嚙み殺された男が発見された。
捜査本部は、これら二つの事件に関連性があると考えと並行して捜査を進めることになった。
捜査を進めるうちに、音道たちは、男を噛み殺した動物はウルフ・ドッグと呼ばれるオオカミ犬であることを突き止めるのだった・・・。
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日本画家の衣川円明は秋葉原にあるメイド喫茶の人気メイドの県明日香(あがた あすか)が亡くなった娘の「あすか」にそっくりなことから彼女が気に入り、彼女をモデルにして絵を描くことにした。
そんな時、衣川のもとに「明日香を預かっている。一億円を用意しろ」という電話がかかってきた。
衣笠は自分の娘にそっくりな明日香を救うため一億円を用意した。
しかしながら、十津川警部をはじめ警視庁の捜査員たちは翻弄され、まんまと身代金を奪われてしまった。
捜査を続けると、明日香には彼女のフアンを自認する”オタク三銃士”がいることがわかった。
そして、誘拐犯から更なる要求が届いたのだった。
”オタク三銃士”は誘拐犯と関係あるのか? ・・・・
西村京太郎作のこの物語は、よくある時刻表よるアリバイ・トリックなどのストーリーとは違った展開で面白く読みました。
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警視庁の新米刑事の後藤陽平は警視庁組織犯罪対策部の海外麻薬取締課の八係に所属する新米刑事である。
八係は韓国人犯罪者、つまりコリアン・マフィアを捜査対象とする部署である。
物語は韓国の麻薬王・インチェルの死体が隅田川で見つかったところから始まる。
この事件の捜査のために韓国のソウルからエリート女刑事・ジヒョンが捜査のために来日する。
新米刑事の陽平はジヒョンが日本の警察の捜査の邪魔にならないように上司から゛特命”を受ける。つまり、ジヒョンを事件の捜査に近づけないで観光案内に徹しろとの゛特命”である。
当然、事件の捜査をしたいジヒョンと、それをさせまいとする陽平は、ことあるごとに衝突するのである。
そんな二人だったが、いつしか事件の重要な手掛かりにたどり着く・・・。
しかし、二人の前に絶体絶命の危機が迫ってくる。
この事件の裏には日本と韓国を巻き込むある陰謀が隠されているのだった・・・。
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この小説の主人公の私は女流推理作家である。
最初に主人公の恋人の河津雅之が殺された。雅之は最近「狙われている」と怯えていたのだった。
私は彼の家族とともに遺品を整理していたが、彼が保存していた資料の一部が何者かに盗まれた。
盗まれた資料は彼が殺された事件に関係するものだと思われるのだった。
私は編集者の冬子とともに真相を追うことになった。
しかし、調べ始めると次々と人が殺されていくのだった・・・。
この小説には物語の章のほかに「モノローグ」という部分があり、そこには犯人の心情を示すと思われる文章がある。そこに「無人島より殺意をこめて」と書かれていた・・・。
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この小説の主人公の成瀬純一は、訪れた不動産屋のの店内で事件に巻き込まれて頭に銃弾を受けた。
彼は病院で世界初の脳移植手術を受け、その手術は成功し、彼は普通の生活ができるまで回復したのだった。
そんな彼に思いがけないことが起こり始めた。
それまで画家を夢見て、優しい恋人を愛していた心優しい性格だった彼は、手術後徐々に性格が変わっていき、時には信じられないほどの凶暴性が現れていくのだった。
自己崩壊の恐怖にかられた彼は、自分に移植された脳の持ち主(ドナー)の正体を突き止めようと思い立った・・・。
予測できない物語の展開に最後まで一気に読みたくなる小説でした。東野圭吾氏のこのような設定の小説は結構面白いと思い始めました。
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この本は宮本武蔵の生涯を描いた本です。小説というより解説本のようにも思えます。
宮本武蔵についていずれ読んでみたいと思っていたのですが、吉川英治氏の「宮本武蔵」はすごく長編なので手をこまねいていました。
そんな時、手ごろな長さのこの本と出合ってよかったと思っています。
内容は宮本武蔵の生い立ちから晩年までが描かれており、彼の生き方やその思想がよくわかるように描かれているようです。
全体的に司馬遼太郎さんの取材に基づいて書かれており宮本武蔵の姿がイメージできました。
もちろん、細かな描写は創作の部分もあるでしょうが宮本武蔵の姿が比較的忠実に描かれていると感じました。
なお、司馬遼太郎さんはこの本のほかに「宮本武蔵」という題名の小説が別にあるようです。
群馬県は古くは上野の国と呼ばれた地域です。
この本は現在の群馬県の伊勢崎市のあたりを所領とした那波(なわ)氏一族の歴史を中心に戦国時代末期の上野の国の歴史が物語として描かれています。
戦国時代末期、関東管領であった上杉憲政の没落により、上野の国は関東 をめざす北条氏、信濃を平定し関東進出を目指す武田氏、そして信濃の長尾景虎(のちの上杉謙信)などの狭間で、時代の大波に吞まれながら必死に城と領地を守ろうとする武士たちの姿が描かれています。
そして、この地域にたくさんの城があり、その城と領地を守る武士と領民がいたことがわかり、とても面白く読み進めることができました。
この本は多くの歴史資料をもとに物語として書いたもので、その内容はかなり歴史に忠実に描かれているものと思われます。
この本で、私の住む群馬県の歴史を一端に接することができ、とても良かったと思いました。
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この「極楽 征夷大将軍」は室町幕府の祖・足利尊氏を描いた物語です。
この小説に描かれている足利尊氏は、やる気がなく、使命感もなく、執着もない、そんな性格に描かれています。
しかし、そんな足利尊氏が天下を取り征夷大将軍に成れたその訳が何となく分かるような気がします。
物語は、足利尊氏と、そんな尊氏を助ける弟の直義と、足利家の重臣・高師直を中心に描かれていきます。
何度も絶望的な危機に陥りながら、また復活していく尊氏の不思議な能力の秘密が描かれていると思います。
北条家の滅亡から、建武の中興、南北朝など、この時代の歴史は非常に分かりにくいのですが、この小説で、その訳が分かったような気がします。
源頼朝の時代や戦国時代、幕末から明治維新の時代は小説や大河ドラマで繰り返し描かれますが、室町時代はあまり取り上げられません。
しかし、私はこの時代に面白みを感じています。
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主人公の小林は日本有数の高級住宅地の駐在所に勤務する警察官(駐在さん)だが、彼にはもう一つ、組織対策第四係長でもある。
組織対策としての彼の能力には定評があり、組織対策全国指導官の肩書もある。
二つの顔を持つ小林は、警視庁内でもその名を知られた「駐在刑事」である。
この小説の中で彼は駐在さんとして、また組対の刑事として活躍するのだが、物語は警察官の日常の様々な活動を描きながら事件を解決していくようになっている。
この小説の作者は大学の法学部を卒業後、警視庁に入庁し警備部や公安部、内閣官房などを経験した元警察官とのこと。
そのため警察官の仕事について詳しく描かれており、特に駐在さんの日常の仕事や、組織対策課の仕事ぶりなど、実際の経験があるから描けるリアリティが感じられる小説でした。
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