月の満ち欠け
「月の満ち欠け」という題名からはどんな小説なのか想像できない。
事前の知識があるので何となくわかっていたが、読み始めると会社員の小山内の娘の異常な言動が書かれこの物語の主題が暗示される。
そして、三角というアルバイトの大学生の話になるのだが、彼はふとした出会いから人妻と恋愛関係に落ち、その相手は、突然事故で亡くなることになる・・・・。
自分が命を落とすようなことがあっなら、もう一度生まれ変わる。
月のように。
いちど欠けた月がもう一度満ちるように・・・・
そして、あなたの前に現れる。
物語は時系列ではなく、相前後しながら語られて結末をむかえる。
これは恋愛小説でもあり、一方、ある意味で怪奇小説としての一面を持つと感じた。
私にとってはとても面白い小説だと思った。
佐藤正午さんの直木賞受賞作品でした。
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