好奇心もここまでくると・・・: ひろの世界

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2012年8月 4日 (土)

好奇心もここまでくると・・・

かなり前のことだが、新宿から私鉄で一時間ほどの地方都市に住んでいたことがある。
地方都市によくあることだが、旧住民は市の中心部とそれをとりまく農家、新住民は市のはずれに新たに作られた住宅団地に住む、という構図ができあがっていた。


私は公団アパートに住んでいたのだが、その五階にOLと思しき女性がひとりで住んでいた。
OLの隣に住むAさんから漏れ聞いたところによると、夜のアルバイトでもかなり稼いでいたという。

ある日、私が帰宅すると、Aさんが青い顔で私の家の前で待っていた。
「いったいどうしたの?」驚いて聞くと、
「今日、大変なことがあったの」と言う。
お昼ごろ、隣のOLがタクシーを呼んで急いで出て行った後、コワイオニイサンが何人かやってきて、そのOLの家の窓から家具を放りはじめた。
下に人がいなかったから良かったものの、当たれば怪我ではすまない高さだ。
Aさんは、鍵を閉めて隣の様子を伺っていた。
しばらくして静かになったので、隣の家の様子を見に行った所、まるで映画かテレビのワンシーンのように、畳の上に出刃包丁が突き刺さっていた。


恐る恐る浴室を覗くと浴槽には真っ赤な水が・・・・。

浴槽の中には赤いトランクが沈められており、その塗料が溶け出したものらしい。
窓から慌てて下を見ると、放り出された家具は全てなくなっており、コワイオニイサンたちが持っていったか、管理の人が片づけたか。

そんな話を聞きながら、そのOLやコワイオニイサンより、Aさんの好奇心に呆れたのだった。

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