北海道・日高の競走馬生産牧場で、「幻の三冠馬」と呼ばれた父馬・シダロングランの血を引いて産まれたシルバーファーン。牧場長の菊地俊二は、ファーンの身体能力に期待をかけつつも、性格の難しさに課題を感じていた。この馬が最も懐いている牧場従業員のアヤが問題児であることも、悩みの種である。馬主となったのは、広瀬という競馬には詳しくない夫人。茨城県・美浦にある厩舎を擁する二本松調教師とともに牧場を見学に訪れ、ファーンの購入を決めた。不安を覚える調教助手の鉄子(本名:大橋姫菜)に、二本松は担当を任せることを告げる。ファーンは、俊二の兄である菊地俊基騎手とのタッグで、手のかかるヤンチャ坊主ではあるものの順調に戦績を重ねていくが、あるレースで事故が起こり……。手に汗握る競走展開、人と馬の絆。わずか数分のレース時間には、全てが詰まっている。
競馬は好きで予想とかしてたりするのですが、競走馬を題材とした小説は多分初めて読みました。
それと著者の河崎秋子氏は存じ上げなかったのですが2015年度JRA賞馬事文化賞を受賞されている方で北海道別海町の出身の方でした。
タイトルとカバーから「あぁ、芦毛のステイヤー(長距離向きの競走馬)の競走馬の物語なのかな?」と思ったりしました。
芦毛の競走馬で思い浮かぶのは古くはオグリキャップ、メジロマックイーン、ここ最近ではゴールドシップなどが有名な芦毛の競走馬。
この物語のシルバーファーンは芦毛でいてヤンチャな気性難ときている。
気性難な競走馬はそれがレースに向かえばサンデーサイレンスのよう一流の競走馬にもなれる。。。んだけれど、大体は去勢されてしまう。
幸いにもシルバーファーンは去勢はされないし、そういうエピソードも書かれていない。
ただヤンチャな競走馬で愛嬌もあるといったような描写で済んでいるのも良かったかな。
血統は書かれていないけれど芦毛で零細牧場から出た大物ということを鑑みるとネイティヴダンサー系?とか推理してみたり(笑
競馬をやる人はわかると思うけれど、競馬で一番盛り上がるのがダービー(東京優駿(日本ダービー)) と有馬記念でダービーのレース描写と菊花賞は良かったけれど、その他のレースの描写がちょっと読んでいる側としては物足りなかったです。
それでもシルバーファーン自身と彼に関わった全員がハッピーになれるのは良かったと思います。
気になった方はこちらからどうぞ⇒「銀色のステイヤー - 河崎 秋子 (著)」
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