「一人だけ殺す。絶対に自然死にしか見えないかたちで」浦和医大法医学教室の光崎藤次郎教授への脅迫文がネットに書き込まれた。日本の解剖率の低さを訴えるテレビ番組での、問題の九割はカネで解決できるという彼の発言が発端だった。 挑発などなかったかのように、いつもの冷静さで解剖する光崎。一方、助教の真琴は光崎の過去に手がかりを求めると、ある因縁が浮上し……。
知らなかったのですが本書は4作目らしいです。
読んでみようと思ったきっかけは「一人だけ殺す。絶対に自然死にしか見えないかたちで」という要約の文に惹きつけられたからです。
そんな方法があるのなら殺人が容易になってしまうけれど、一体どんな方法なんだろうと興味が沸きました。
以前に知り合いが薬剤師の知り合いにそのような話しを聞いたらしいけれど、知り合いは怖くて詳しいことは聞けなかったそうです。
そんなことも頭をよぎりながら読みました。
私は知らなかったのですが、ヒポクラテスは古代ギリシアの医者で医学の父とも呼ばれている人物で、wikipediaを読んでいると、厳格な職業意識、規律、厳しい訓練が有名で医者というのは、身なりを整え、正直で、冷静で、理解に富み、真面目であることを推奨していたとあります。
本書の中心人物である光崎藤次郎教授がヒポクラテスなのだなと、すぐにわかります。
そして、読んでいて知ったのは解剖するのにも家族の許可がないと出来ないこと、解剖するのにもお金がかかること、宗教や国などによっては解剖を望まない人々がいること。
日本では火葬が当たり前だけれど土葬をしている国もあるし、自分の常識が当てはまらない事象もあるよなぁと思いました。
本書では5つの症例(?)が描かれていたけれど1作目から読みたいと思いました。
気になった方はこちらからどうぞ⇒「ヒポクラテスの悔恨 - 中山七里」
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