2014.06.16 19:53|動物愛護法|
皆さんいつもコメントありがとうございます。
コメント一つ一つに返信させていただけていないのですが、時間がかかっても必ず返信いたします。
そんな最中ですが、動物愛護法のよくある質問をいただきましたので、自分の備忘録としてアップしておきます。
* * *
動物愛護法違反と器物損壊罪について
----------------------------------------------------------------------
◆動愛法罰則 (動物愛護法 第44条1項)
愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、
2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処する。
(平成25年9月の法改正で懲役1年→2年、罰金100万→200万に強化されました)
----------------------------------------------------------------------
◆器物損壊罪 (刑法 第261条)
他人の物を損壊し、又は傷害した者は、
三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
----------------------------------------------------------------------
【Q1】
罰を処するのは誰?警察?県?市町村?
⇒ 動愛法も刑法も、県や市が定める「条例」ではなく国として定める「法律」ですので、
罰を執行するのは国です。(厳密に言うと法務省のトップの法務大臣だと思います)
【Q2】
器物損壊罪の場合、飼い主が告訴してはじめて警察が動く?
⇒ 器物損壊罪は親告罪(被害を受けた所有者が告訴してはじめて成立)ですので、
殺傷された動物の飼い主が告訴しなければ成立しません。
告訴すれば警察が動いてくれるはずです。
【Q3】
逆に飼い主が飼い犬を傷つけているのを見て他人が告訴はできない?
⇒ 器物損壊罪を適用させようとすると飼い主の告訴に依存してしまいますが、
そのために日本には動物愛護法があります。
動物愛護法は親告罪と違って告訴がなくとも、また所有者がいない動物も含めて護る法律で、
飼い主自身が自分の犬を傷つけている場合は、第三者でも動物愛護法違反として告発できます。
これは子供虐待と同じで、物言えぬ弱者を護るため、被害届があろうとなかろうと、
倫理に反する事でやってはいけない事、違法という事です。
【Q4】
動愛法違反の場合、告訴がなくても罰せられる?
⇒ 動愛法は第三者でも告発できるかわり、愛護動物に限定されます。
(愛護動物は、犬、猫、ウサギ、牛、馬、豚、鶏、羊、やぎ、あひる、鳩、の11種類と、
人間が所有している他の哺乳類・爬虫類・鳥類です。)
【Q5】
動愛法違反と器物損壊罪の使い分けは?
⇒ 人が所有している動物の場合は器物損壊罪、愛護動物の場合は動物愛護法違反の罪に問われますので、
以下の4パターンが考えられます。
①他人所有であり、かつ愛護動物 (例:他人の犬)
→器物損壊罪と動物愛護法違反の両罪が成立します。
器物損壊罪のほうが刑が重いので、器物損壊罪のほうの量刑になるのではと思われます。
②他人所有だが、愛護動物でない (例:他人のクワガタ)
→器物損壊罪が成立します。
③他人所有でないが、愛護動物 (例:野犬)
→動物愛護法違反が成立します。
④他人所有でなく、愛護動物でもない (例:野生のヘビ)
→器物損壊罪にも、動物愛護法違反にもなりません。
※ただし、鳥獣保護法があるので、野生生物に何をしてもいいという事にはなりません。
* * *
【参考資料】
平成21年度 動物の遺棄・虐待事例等調査報告書
コメント一つ一つに返信させていただけていないのですが、時間がかかっても必ず返信いたします。
そんな最中ですが、動物愛護法のよくある質問をいただきましたので、自分の備忘録としてアップしておきます。
* * *
動物愛護法違反と器物損壊罪について
----------------------------------------------------------------------
◆動愛法罰則 (動物愛護法 第44条1項)
愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、
2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処する。
(平成25年9月の法改正で懲役1年→2年、罰金100万→200万に強化されました)
----------------------------------------------------------------------
◆器物損壊罪 (刑法 第261条)
他人の物を損壊し、又は傷害した者は、
三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
----------------------------------------------------------------------
【Q1】
罰を処するのは誰?警察?県?市町村?
⇒ 動愛法も刑法も、県や市が定める「条例」ではなく国として定める「法律」ですので、
罰を執行するのは国です。(厳密に言うと法務省のトップの法務大臣だと思います)
【Q2】
器物損壊罪の場合、飼い主が告訴してはじめて警察が動く?
⇒ 器物損壊罪は親告罪(被害を受けた所有者が告訴してはじめて成立)ですので、
殺傷された動物の飼い主が告訴しなければ成立しません。
告訴すれば警察が動いてくれるはずです。
【Q3】
逆に飼い主が飼い犬を傷つけているのを見て他人が告訴はできない?
⇒ 器物損壊罪を適用させようとすると飼い主の告訴に依存してしまいますが、
そのために日本には動物愛護法があります。
動物愛護法は親告罪と違って告訴がなくとも、また所有者がいない動物も含めて護る法律で、
飼い主自身が自分の犬を傷つけている場合は、第三者でも動物愛護法違反として告発できます。
これは子供虐待と同じで、物言えぬ弱者を護るため、被害届があろうとなかろうと、
倫理に反する事でやってはいけない事、違法という事です。
【Q4】
動愛法違反の場合、告訴がなくても罰せられる?
⇒ 動愛法は第三者でも告発できるかわり、愛護動物に限定されます。
(愛護動物は、犬、猫、ウサギ、牛、馬、豚、鶏、羊、やぎ、あひる、鳩、の11種類と、
人間が所有している他の哺乳類・爬虫類・鳥類です。)
【Q5】
動愛法違反と器物損壊罪の使い分けは?
⇒ 人が所有している動物の場合は器物損壊罪、愛護動物の場合は動物愛護法違反の罪に問われますので、
以下の4パターンが考えられます。
①他人所有であり、かつ愛護動物 (例:他人の犬)
→器物損壊罪と動物愛護法違反の両罪が成立します。
器物損壊罪のほうが刑が重いので、器物損壊罪のほうの量刑になるのではと思われます。
②他人所有だが、愛護動物でない (例:他人のクワガタ)
→器物損壊罪が成立します。
③他人所有でないが、愛護動物 (例:野犬)
→動物愛護法違反が成立します。
④他人所有でなく、愛護動物でもない (例:野生のヘビ)
→器物損壊罪にも、動物愛護法違反にもなりません。
※ただし、鳥獣保護法があるので、野生生物に何をしてもいいという事にはなりません。
* * *
【参考資料】
平成21年度 動物の遺棄・虐待事例等調査報告書