ものぐさオーディオの日記

2710H

100Ω程度の抵抗を入れたら残留ノイズが減ったので、ならば小型チョークコイルを入れたらもっと良くなるのではないかと思い、適当なものを探したらゼネラルトランス販売にPMC-2710Hというのが有ったので2個注文した。これならばギリギリ底の浅いシャーシの中に収まる。なんとかスペースを確保して入れ替えてみた。
300B kaCH
赤丸の部分。またほんのちょっと残留ノイズが減ったが、アンプの音質の変化の方が大きく、楽音の微少レベルの部分がさらに聴き取りやすくなって音が瑞々しくなった。

永遠のプロトタイプみたいになっているが、音が出た後からの変更で静かになったり音が良くなったので、試行錯誤は重要である。


300B kaCH
>残留ノイズで苦戦しているようですが、リップルフィルターの
>チョーク容量が足りないのかも知れません。

>昔の無帰還シングルアンプの電源には、大体10H以上のチョークが
>入っていたと思うので、電源の二つの500V100μの間に33Ω
>位の抵抗を仮に入れて見て、残留ノイズが減るかどうか試してみては
>どうかと思います。

と、ベテランのアンプビルダーの方からアドバイスを頂いた。

あいにく33Ω~100Ω近辺で手持ちが無かったので、ジャンク箱の中に220Ω/3Wが4個有ったので、これをパラにして110Ω/6Wとして回路図の赤丸部分に入れてみたら、残留雑音は減りました。100dB/mのアルテック604でもユニットにぴったり耳を付けてほんの僅かハムが聴こえる程度。ゲインが高いので、むしろプリアンプ以前の機器のノイズの方が気になる感じ。

+Bの電圧降下は8~9V程度で、大勢に影響はない。傍目には若干残留ノイズがほんのちょっと減っただけだが、微少な部分の音が聴き分け易くなって、明らかに音は良くなった。

ドライバー段を高電圧供給したいがために出力段の電源と共通にしたため、ドライバー段でのリップルノイズが出力段で増幅されていたという可能性もある。


回路の小変更をおこなった。
12SN7のヒーター・バイアスを止めアースすることにしたので、75KΩの抵抗を撤去。

12SN7をシステマチックに挿しかえていく過程で、ドライバー段のバイアスが5V程度になってしまう組み合わせがあるので、ドライバー段のバイアスを若干深くする意味で初段のプレート供給電圧を若干下げたかったので、43K/5Wを47K/5Wに変更しようとしたが、あいにく47K/5Wが手持ちに無かったので、56K/5Wと300K/2Wをパラにして約47KΩとした。

300Bのフィラメント電圧が若干高かったので0.47Ω/5Wを0.75Ω/5Wに変更しようと思い、地元のマルツ電波に行ったら0.75Ω/5Wは無かったので、1.5Ω/3Wを購入。これをパラにして0.75Ω/6Wとしてみた。それでほぼ5Vとなった。
300B kaCH
各部の測定してみた。カッコ無しはLch、カッコ有りはRch。深夜だったので電圧が以前より若干高めに出ている。300Bはロシア・ソブテック製を使用している。

試しに昨年の秋に購入した中国製の300Bを挿してみたら、フィラメント電圧が4.55Vとなりかなり低い。

単純計算で、ソブテック製とフィラメント電流が0.2Aくらいは違っている。ソブテック製が5V/1.2Aだったなら、この中国製は5V/1.4Aくらいのはず。この中国製の300Bに合わせてフィラメントを5Vに調整しようとすると、以前の0.47Ω/5Wで丁度良かった。で、知らないでソブテックを挿して使っていたらフィラメント電圧が高めにかかるようになってフィラメント切れの事故が起きる可能性も有った。

その300Bはこちら。

中国のGV Golden Voice Tubesというブランドの300B

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安価なのであるが、何と、上部マイカはWEと同様におむすび型で3方向からマイカで電極が支えられている。しかし、WEのような竿釣りではなくスプリング釣りというところが異なる。
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今は、ソブテック300Bの音質がなかなか良いので、玉転がしはせずこのままソブテックを使い続けようと思う。復刻版ではあるが2000年頃購入した米国製のWE300Bも手元にあるが、もったいなくて使えない。ソブテック300Bはとても安く購入したものだし、6SN7を使わずに12SN7にしたのは12SN7が手持ちにあり、性能は同じなのに12SN7の方が今も安いから。整流管の中国製5Z4Pは当時@¥330で買ったものだ。本家のWE300Bとは釣り合いがとれない。

これで、カソード・チョークドライブ300Bシングルアンプはとりあえず完成とする。

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