399 デザインとマネジメント その６ 続：ＲＯＩの良い仕事をすること
- 2023/12/27
- 00:13
次の記事を「番号400の目次ページ」にしたいので、前の記事と[308ＲＯＩの良い仕事をすること]の復習をしまして区切りが良い感じにしつつ、来年以降への助走を短くあっさり味で書こうと思いました。（メタ思考する本質）
まず前の397の記事の補足です。用語を２点、整理を致します。
1.「労働生産性」という言葉
ドラッカー先生は、経済学者カール・マルクス[ウィキペディア]が言うところの「生産性」を採用して使っていました。
先生がこの本を執筆なさった時代のあと現在までの間に、生産性[ウィキペディア]は、このウィキペディアにも紹介されてあります様に、色々な話を「生産性」という言葉で言い表すように変化してきました。
先に話題にしました【生産の業績 ＝ 24時間 × 労働者の勤勉な頑張り × (機械装置や設備の要素も含めた)作業の能率】という概念については、生産性の中でも「労働生産性」という言葉で呼ばれるものとなっています。
2.例としてマクドナルドの厨房が挙げられていましたが、(機械装置や設備の要素も含めた)作業の能率の改善とは何ですか？
・ライン生産方式[ウィキペディア]
・セル生産方式[ウィキペディア]
・タイムスタディ[Google検索]
などの工夫が、まだ全く無かった状態の昔の手作業から、有る状態に進化してきたことです。
さて、
【生産の業績 ＝ 24時間 × 労働者の勤勉な頑張り × (機械装置や設備の要素も含めた)作業の能率】
この労働生産性の模擬計算式を見ますと、話題にしたい論点が４つございます。
①左辺の「生産の業績」は、何をターゲットにしていたか？
②右辺の「時間 × 頑張り × 能率」に、なんか弱体化されている要素[デバフ。『ドラクエ』の魔法で言えば、ルカニやラリホーなどの邪魔される呪文]が存在しているのではないか？
③右辺の「時間 × 頑張り × 能率」に、もっと強化になる要素[バフ。バイキルトやピオリムやフバーハなど。]は無いのか？
④科学と自働化機械とコンピュータの進化によって「作業の能率」は改善してきただろうに、「労働者の勤勉な頑張り」はなぜ緩められずに頑張り続けてきたのか？
です。
今日は表面の入り口部分だけ書きます。
①左辺の「生産の業績」は、何をターゲットにしていたか？
我々は仕事を頑張っています。なのに、日本経済全体は数十年間ずっと低調です。
我々の頑張りは、日本経済全体に良い結果を与えていないらしいのです。何故だ？目標設定がずれているのでしょうか？狙うエイミングがぶれぶれなのでしょうか？
ひょっとして、我々働きマンは、自分が勤めている会社の自分が働いている職場・事業所・部署が、良い成績を出すようにと考えて頑張っているのではないでしょうか？小単位・小集団それぞれが最高に頑張れば、それらを合計して、日本経済全体としても良い結果になるように繋がると思っていたけど、繋がっていないんじゃないでしょうか？
もしかして、私らブラックソルジャーは、自分たちの部署は生産性の高い仕事をするんだ！この競争社会で自分たちは勝ち組になるんだ！他を蹴落としてでも社内のトップチームになるんだ！との絶対の強い意志を胸に、場合によっては、他と対立したり迷惑をかけたりすることがあっても、少々の事は許されるべき必要悪だと思って構わずに、仕事を断行してきたこともあるんじゃないでしょうか？例えば、営業一課と営業二課が手柄を奪い合って社内で揉めるとか、そんな営業部が作ったゴミを総務部に押し付けるとか、製造部の都合に合うように下請けの協力企業さんと派遣労働者の工員さんに妥協して戴くなど、その様な。（この様な粗暴な行動は良くないヤバい、将来は危険だ、と気づいてはいるんだけど、自分と自分の家族だけ逃げきれたらいいので、自分のメリット次第では見て見ぬ振りもするし？）
我々のような普通の人は自分の目に見える範囲をターゲットにしがちですが、昔の偉い先生は違います。
社会全体の経世済民（≒社会余剰の増大）を左辺のターゲットにしておられます。
[375松下幸之助「天下の預かりもんや」]より再掲します。
さらに、”事業は人なり”といいますが、企業活動の根幹となる人間というものは、これはいうまでもなく、天下の人、社会の人材なのです。
そうしてみますと、人、金、土地、物、つまり企業の活動に必要なもろもろの要素はこれすべて本来、天下のもの、公のものであるということになります。したがって、そういう社会のものを社会から預かって仕事をしている企業自体、やはりこれは社会のもの、公器であると考えなくてはならないと思います。
そのように、企業が社会の公器であるとすれば、企業はその活動から、なんらかのプラスを生み出して、社会の向上、共同生活の発展に貢献しなくてはならないと思います。天下の人、天下の金、天下の土地、天下の物資を使って仕事をしている公器としての企業が、その活動からなんらのプラスも生み出さず、なんら社会に寄与、貢献しないとすれば、これは許されないことだといわなくてはなりません。
397で引用したドラッカー先生の『マネジメント』にもこの様にあります。
現代社会の命運を握るもの
今やあらゆる先進社会が組織社会になった。主な社会的課題はすべて、マネジメントによって運営される永続的存在としての組織の手にゆだねられた。一人ひとりの命とまではいかなくとも、現代社会そのものの機能が、それら組織の仕事ぶりにかかっている。
ついでに、[339囚人のジレンマと赤黒ゲーム]の事も思い出して戴いて、お茶かコーヒーをひとくち飲んでクールダウンして考えてみますと、我々ブラック企業中間管理職ソルジャーは、「生産性の高い仕事をする」という言葉を口では唱えながら、実は認識していた範囲が小さくて、ただ周囲の人を痛めつけるだけの内戦に陥っていたんじゃないでしょうか？
く /
人_人_人_人_ ／二二ニﾆ＝==ー―‐‐' ノ 働 お ＞
（. //´ ヽ け ら ＼ ＿＿＿__
な 手 （ // 〉 働 ｜ / ／ ＼
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| 休 （ // ＿∠-―‐く_/二ゝ―' ノ ぇ | / ,人/ ヽ
| め （. ヽニニr彡_,ィ_ミ､ {!＿_｝ く // っ 〉 ､ﾌ / /＼ Yﾍ
っ る ( ｛Ｖ∠ノム}ミ=- }! } ヽ ・・ /.', 、 Ｚ r' , ＼/ ヾ.ヽ
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／{r==､ノ /_r_,<>、 〉 ケ が れ て
く／<} o {> r､__{ `ﾊ¨ /} ノ ラ た る
く/ o ゝ＿r}ｨ＝ニ=-く＿_＼ ど い だ
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ヽ＿_,,.rｭ―ｧ-イ⌒ ｝/ ) ・・ え
{_L／＾二二二ニ{ ⌒＼ ﾊ ／
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コミックス１巻の、KING（南斗のシン）の農場の施工管理の皆さん＠『北斗の拳』
『螳螂捕蝉、黄雀在后(螳螂、蝉を窺い、黄雀、後に在り)』カマキリはセミを捕らえたが、それらの後ろから黄雀[ヒワ]が狙っている。競い合うは結構なれど、呉と蜀が相争っては、曹孟徳と司馬仲達が手を叩いて大喜びするでしょうぞ。
②右辺の「時間 × 頑張り × 能率」に、なんか弱体化されている要素が存在しているのではないか？
これは恐らくですが、粗利の厚み（＝付加価値の高い商品）が圧し潰されてきて、薄利の商売しか出来ていないことが、生産性を悪化させていると思います。
時間かける × めっちゃ頑張る！ × 能率もヨシ！ × でも仕事で得られる利益率が少ない！の問題です。
直近では[378続：『fast cheap good から２つ選べ』]で書きましたが、日本人が日本国内で仕事をして作った日本製品よりも、強い強い日本円を外国のお金に両替して外国から輸入した商品のほうが、ずっと安くて良い感じであった為に、日本製品は安い外国製品と価格を見比べられ、お値引きやコストカットやグレードダウンされてきました。それが「失われた数十年」。
また、製造原価を押し下げるために行われてきた人件費カットで、めぐりめぐって、家計の購買力が弱くなっているのでしょう。高級品に相応の高い値段を付けても消費者の財布に資金力がないから売れないので、高級品すらお値引きをしてよりお求めやすい価格設定で販売しているのでしょう。
貨幣価値云々になると、マクロ経済学の分野ですね。
③右辺の「時間 × 頑張り × 能率」に、もっと強化になる要素は無いのか？
第１に考えられるのはレバレッジですね。
「やっている行動は一定であるけれども、効果が倍々になるように仕組みを作り込むこと」を、小さい力で重たい物を動かす「梃子の原理」のからの連想で、「レバレッジを利かせる」[Google検索]と呼びます。
ひと昔前は、プロスポーツ選手が、試合をして獲得する賞金や契約料（＝本業）よりも、その選手に憧れる少年少女やファンを相手に靴やグローブやラケットやバットやＴシャツなどのグッズを販売する副業の方が金額が大きいことが、レバレッジ効果のビジネス事例としてよく例示されていました。
赤と黒のナイキのエアが、当時どんだけ人気だったか・・・。
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流川と花道＠『スラムダンク』
こんにちではインターネットとSNSの、「バズる」とか「インフルエンサー」とか言う、波紋が伝播してゆく感じがレバレッジの典型例ですね。売り手の商店Ｂが顧客Ｃに、商品の動画広告を提示し、お問い合わせは「○○【公式/official】」のページを御覧くださいと提示したところ、動画広告が面白くて商品も良くて気に入って下さったようで、顧客Ｃさんは自分のネットの日記にそれを書き、他のＣ２さんＣ３さん・・・がＣさんの書き込みを見て、商店Ｂの商品に興味を持つという流れのやつですよ。
ポイントは、最初のＣさんに１回売り込みをしてその場で完結して終わってしまうのではない事です。Ｃさんに対して１回売り込むことは同じなんだけれども、Ｃさんの笑いのツボをうまく刺激するなどでＣさんが何か良いリアクションをしてくれて、他の人が釣られて巻き込まれて来るという。
通常、「販売する」とか「営業する」とか言うと、売り手側にとっては、お客を”捕まえて”、商品を渡して金を”取る”とか、”販売目標達成のための有望な獲物をゲット”なんて言う気分も無きにしも非ずですけれど、顧客からの好感度が高く、関係性が真っ当でフェアなものでなければ、「バズる」というのは発生しないんじゃないかしら？自分が外部から売上金を獲得するんじゃなくて、外部に商品を「どうぞうちの子をお願いします」とお願いして渡すような姿勢でアプローチしなければ。
第２に、他と見比べられてお値引を強いられない物とは、他に類似品が無いオリジナリティの高い物です。
私はおフランスの高級ファッションブランドの事を気にしていますので、以前、
[113ガブリエル・ココ・シャネル先生]
[169見利思義＆レアリティ＆プレミアム]
という記事を書いてみました。
最近、和歌山県の高野山のお寺が、京都市に負けず劣らず、外国人観光客が多いそうですよ。SNSで知ったんですって。日本に来なければ、お寺の宿坊に泊まって修行を体験することができないですから。
外国に生まれ育った方が初めて日本列島を、――古くからのお寺でも神社でも、現代の都市でも、滝でも渓谷でも森林でも荒磯でも、満開の桜でも蝉時雨の日差しでも紅葉の匂いでも深深と雪降る銀世界でも―― 初めて日本を旅するときには是非、数多くの日本の音楽の中でもこの１曲を携帯端末で持っておいて、TouchingなものやQuestionが心に刺さったものと出会った時にその場でイヤホンで静かに聴いて欲しいです。
[♪『戦場のメリークリスマス／Merry Christmas Mr.Lawrence』]
♪『energy flow』
♪『Aqua』
④科学と自働化機械とコンピュータの進化によって「作業の能率」は改善してきただろうに、「労働者の勤勉な頑張り」はなぜ緩められずに頑張り続けてきたのか？
さあ、こいつが難題ですよ。
装置面の支援により作業の能率はアップしたのだから、定時に退勤したらいいのにそれをしない。
子供さんの勉強を看てあげるなり、奥さんとデートするなり、親孝行するなり、独身男ならば将来の妻を探しに美女をナンパしに行くなり、自分の人生を好きに生きればいいのに、それがなかなかそれが出来ない。
明日の仕事の準備や来月のプロジェクトの根回しなど、今日できる将来の仕事を先取りして今日も残業する。
この考え方は何だったんでしょうね？（顔面蒼白、目の焦点が合ってない。）
18世紀か19世紀にSweatshop[ウィキペディア]と呼ばれた非常にハードな働きぶりや、明治時代の男の炭坑や女の絹糸工場の非常に勤勉でタフな働きぶりが、現代まで継続されているのは何故でしょうか？
最近、ChatGPTなどの応答型ＡＩの支援によって仕事が更に楽になって、令和時代の皆さんは定時に帰れるのかと思いきや、「もっと仕事が出来るようになる！」と前のめりなことを言ってる人すら居るそうです。
第１に、ごく簡単に言うと、「労働生産性」は、「安い人件費でもって、高い利益を上げる」のが「成績・スコアが良い」とされてきて、それが企業内で人事考課の採点項目とされてきました。だから、人件費を請求しない自主的な残業をしてたくさんの仕事をした、のでしょうか？
第２に、職場の”空気的に、正しい、良い、望ましい”とされていることに『長いものには巻かれろ、寄らば大樹の蔭』と思って合わせてきたのでしょうか？
第３に、自分の人生を自由に自己責任で生きるのを、やったことが無いから怖いので、『自由からの逃走』をしてしまって、従来通りに会社で忙しく残業をしている方が収まりが良いと思って、生活パターンを戻してしまうのでしょうか？（まるで、野生では生きていけない蚕のように。）
エンドレス残業地獄を、壊そうとするよりも、その流れに従って残業を頑張った方が周囲の人から高く評価されて得するからでしょうか。
会社内で良い地位、良い立場、良い権力を得たとして、それを手放せないと思うのであれば、自分がその地位立場権力を掌握しているのではなくて、自分の方がそれらに乗っ取られていて非常に不自由になると思うのですが、いかがでしょうか。
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♪Mew（中の人は坂本美雨さん） Vocaloid3＠ヤマハ ダウンロード販売
[https://www.vocaloid.com/products/show/v3l_mew]
名著解説動画：アバタロー
『【超大作】自由からの逃走 | フロム ～絶対に知っておきたい「自由な生き方」の副作用～』
まず前の397の記事の補足です。用語を２点、整理を致します。
1.「労働生産性」という言葉
ドラッカー先生は、経済学者カール・マルクス[ウィキペディア]が言うところの「生産性」を採用して使っていました。
先生がこの本を執筆なさった時代のあと現在までの間に、生産性[ウィキペディア]は、このウィキペディアにも紹介されてあります様に、色々な話を「生産性」という言葉で言い表すように変化してきました。
先に話題にしました【生産の業績 ＝ 24時間 × 労働者の勤勉な頑張り × (機械装置や設備の要素も含めた)作業の能率】という概念については、生産性の中でも「労働生産性」という言葉で呼ばれるものとなっています。
2.例としてマクドナルドの厨房が挙げられていましたが、(機械装置や設備の要素も含めた)作業の能率の改善とは何ですか？
・ライン生産方式[ウィキペディア]
・セル生産方式[ウィキペディア]
・タイムスタディ[Google検索]
などの工夫が、まだ全く無かった状態の昔の手作業から、有る状態に進化してきたことです。
さて、
【生産の業績 ＝ 24時間 × 労働者の勤勉な頑張り × (機械装置や設備の要素も含めた)作業の能率】
この労働生産性の模擬計算式を見ますと、話題にしたい論点が４つございます。
①左辺の「生産の業績」は、何をターゲットにしていたか？
②右辺の「時間 × 頑張り × 能率」に、なんか弱体化されている要素[デバフ。『ドラクエ』の魔法で言えば、ルカニやラリホーなどの邪魔される呪文]が存在しているのではないか？
③右辺の「時間 × 頑張り × 能率」に、もっと強化になる要素[バフ。バイキルトやピオリムやフバーハなど。]は無いのか？
④科学と自働化機械とコンピュータの進化によって「作業の能率」は改善してきただろうに、「労働者の勤勉な頑張り」はなぜ緩められずに頑張り続けてきたのか？
です。
今日は表面の入り口部分だけ書きます。
①左辺の「生産の業績」は、何をターゲットにしていたか？
我々は仕事を頑張っています。なのに、日本経済全体は数十年間ずっと低調です。
我々の頑張りは、日本経済全体に良い結果を与えていないらしいのです。何故だ？目標設定がずれているのでしょうか？狙うエイミングがぶれぶれなのでしょうか？
ひょっとして、我々働きマンは、自分が勤めている会社の自分が働いている職場・事業所・部署が、良い成績を出すようにと考えて頑張っているのではないでしょうか？小単位・小集団それぞれが最高に頑張れば、それらを合計して、日本経済全体としても良い結果になるように繋がると思っていたけど、繋がっていないんじゃないでしょうか？
もしかして、私らブラックソルジャーは、自分たちの部署は生産性の高い仕事をするんだ！この競争社会で自分たちは勝ち組になるんだ！他を蹴落としてでも社内のトップチームになるんだ！との絶対の強い意志を胸に、場合によっては、他と対立したり迷惑をかけたりすることがあっても、少々の事は許されるべき必要悪だと思って構わずに、仕事を断行してきたこともあるんじゃないでしょうか？例えば、営業一課と営業二課が手柄を奪い合って社内で揉めるとか、そんな営業部が作ったゴミを総務部に押し付けるとか、製造部の都合に合うように下請けの協力企業さんと派遣労働者の工員さんに妥協して戴くなど、その様な。（この様な粗暴な行動は良くないヤバい、将来は危険だ、と気づいてはいるんだけど、自分と自分の家族だけ逃げきれたらいいので、自分のメリット次第では見て見ぬ振りもするし？）
我々のような普通の人は自分の目に見える範囲をターゲットにしがちですが、昔の偉い先生は違います。
社会全体の経世済民（≒社会余剰の増大）を左辺のターゲットにしておられます。
[375松下幸之助「天下の預かりもんや」]より再掲します。
さらに、”事業は人なり”といいますが、企業活動の根幹となる人間というものは、これはいうまでもなく、天下の人、社会の人材なのです。
そうしてみますと、人、金、土地、物、つまり企業の活動に必要なもろもろの要素はこれすべて本来、天下のもの、公のものであるということになります。したがって、そういう社会のものを社会から預かって仕事をしている企業自体、やはりこれは社会のもの、公器であると考えなくてはならないと思います。
そのように、企業が社会の公器であるとすれば、企業はその活動から、なんらかのプラスを生み出して、社会の向上、共同生活の発展に貢献しなくてはならないと思います。天下の人、天下の金、天下の土地、天下の物資を使って仕事をしている公器としての企業が、その活動からなんらのプラスも生み出さず、なんら社会に寄与、貢献しないとすれば、これは許されないことだといわなくてはなりません。
397で引用したドラッカー先生の『マネジメント』にもこの様にあります。
現代社会の命運を握るもの
今やあらゆる先進社会が組織社会になった。主な社会的課題はすべて、マネジメントによって運営される永続的存在としての組織の手にゆだねられた。一人ひとりの命とまではいかなくとも、現代社会そのものの機能が、それら組織の仕事ぶりにかかっている。
ついでに、[339囚人のジレンマと赤黒ゲーム]の事も思い出して戴いて、お茶かコーヒーをひとくち飲んでクールダウンして考えてみますと、我々ブラック企業中間管理職ソルジャーは、「生産性の高い仕事をする」という言葉を口では唱えながら、実は認識していた範囲が小さくて、ただ周囲の人を痛めつけるだけの内戦に陥っていたんじゃないでしょうか？
く /
人_人_人_人_ ／二二ニﾆ＝==ー―‐‐' ノ 働 お ＞
（. //´ ヽ け ら ＼ ＿＿＿__
な 手 （ // 〉 働 ｜ / ／ ＼
| を （. // ＿＿_r冖‐､＿_. } け ｜ ゝ ヽ
| 休 （ // ＿∠-―‐く_/二ゝ―' ノ ぇ | / ,人/ ヽ
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// ｝ ム あ い 生
,r/77くﾆニノ ＿_ く シ り ら き
／{r==､ノ /_r_,<>、 〉 ケ が れ て
く／<} o {> r､__{ `ﾊ¨ /} ノ ラ た る
く/ o ゝ＿r}ｨ＝ニ=-く＿_＼ ど い だ
. くﾚ´￣´ ーr ⌒ , ヽヽ/ く も と け
{ {_ ＿＿_、 / ヽ廴ノ // 思
ヽ＿_,,.rｭ―ｧ-イ⌒ ｝/ ) ・・ え
{_L／＾二二二ニ{ ⌒＼ ﾊ ／
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コミックス１巻の、KING（南斗のシン）の農場の施工管理の皆さん＠『北斗の拳』
『螳螂捕蝉、黄雀在后(螳螂、蝉を窺い、黄雀、後に在り)』カマキリはセミを捕らえたが、それらの後ろから黄雀[ヒワ]が狙っている。競い合うは結構なれど、呉と蜀が相争っては、曹孟徳と司馬仲達が手を叩いて大喜びするでしょうぞ。
②右辺の「時間 × 頑張り × 能率」に、なんか弱体化されている要素が存在しているのではないか？
これは恐らくですが、粗利の厚み（＝付加価値の高い商品）が圧し潰されてきて、薄利の商売しか出来ていないことが、生産性を悪化させていると思います。
時間かける × めっちゃ頑張る！ × 能率もヨシ！ × でも仕事で得られる利益率が少ない！の問題です。
直近では[378続：『fast cheap good から２つ選べ』]で書きましたが、日本人が日本国内で仕事をして作った日本製品よりも、強い強い日本円を外国のお金に両替して外国から輸入した商品のほうが、ずっと安くて良い感じであった為に、日本製品は安い外国製品と価格を見比べられ、お値引きやコストカットやグレードダウンされてきました。それが「失われた数十年」。
また、製造原価を押し下げるために行われてきた人件費カットで、めぐりめぐって、家計の購買力が弱くなっているのでしょう。高級品に相応の高い値段を付けても消費者の財布に資金力がないから売れないので、高級品すらお値引きをしてよりお求めやすい価格設定で販売しているのでしょう。
貨幣価値云々になると、マクロ経済学の分野ですね。
③右辺の「時間 × 頑張り × 能率」に、もっと強化になる要素は無いのか？
第１に考えられるのはレバレッジですね。
「やっている行動は一定であるけれども、効果が倍々になるように仕組みを作り込むこと」を、小さい力で重たい物を動かす「梃子の原理」のからの連想で、「レバレッジを利かせる」[Google検索]と呼びます。
ひと昔前は、プロスポーツ選手が、試合をして獲得する賞金や契約料（＝本業）よりも、その選手に憧れる少年少女やファンを相手に靴やグローブやラケットやバットやＴシャツなどのグッズを販売する副業の方が金額が大きいことが、レバレッジ効果のビジネス事例としてよく例示されていました。
赤と黒のナイキのエアが、当時どんだけ人気だったか・・・。
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流川と花道＠『スラムダンク』
こんにちではインターネットとSNSの、「バズる」とか「インフルエンサー」とか言う、波紋が伝播してゆく感じがレバレッジの典型例ですね。売り手の商店Ｂが顧客Ｃに、商品の動画広告を提示し、お問い合わせは「○○【公式/official】」のページを御覧くださいと提示したところ、動画広告が面白くて商品も良くて気に入って下さったようで、顧客Ｃさんは自分のネットの日記にそれを書き、他のＣ２さんＣ３さん・・・がＣさんの書き込みを見て、商店Ｂの商品に興味を持つという流れのやつですよ。
ポイントは、最初のＣさんに１回売り込みをしてその場で完結して終わってしまうのではない事です。Ｃさんに対して１回売り込むことは同じなんだけれども、Ｃさんの笑いのツボをうまく刺激するなどでＣさんが何か良いリアクションをしてくれて、他の人が釣られて巻き込まれて来るという。
通常、「販売する」とか「営業する」とか言うと、売り手側にとっては、お客を”捕まえて”、商品を渡して金を”取る”とか、”販売目標達成のための有望な獲物をゲット”なんて言う気分も無きにしも非ずですけれど、顧客からの好感度が高く、関係性が真っ当でフェアなものでなければ、「バズる」というのは発生しないんじゃないかしら？自分が外部から売上金を獲得するんじゃなくて、外部に商品を「どうぞうちの子をお願いします」とお願いして渡すような姿勢でアプローチしなければ。
第２に、他と見比べられてお値引を強いられない物とは、他に類似品が無いオリジナリティの高い物です。
私はおフランスの高級ファッションブランドの事を気にしていますので、以前、
[113ガブリエル・ココ・シャネル先生]
[169見利思義＆レアリティ＆プレミアム]
という記事を書いてみました。
最近、和歌山県の高野山のお寺が、京都市に負けず劣らず、外国人観光客が多いそうですよ。SNSで知ったんですって。日本に来なければ、お寺の宿坊に泊まって修行を体験することができないですから。
外国に生まれ育った方が初めて日本列島を、――古くからのお寺でも神社でも、現代の都市でも、滝でも渓谷でも森林でも荒磯でも、満開の桜でも蝉時雨の日差しでも紅葉の匂いでも深深と雪降る銀世界でも―― 初めて日本を旅するときには是非、数多くの日本の音楽の中でもこの１曲を携帯端末で持っておいて、TouchingなものやQuestionが心に刺さったものと出会った時にその場でイヤホンで静かに聴いて欲しいです。
[♪『戦場のメリークリスマス／Merry Christmas Mr.Lawrence』]
♪『energy flow』
♪『Aqua』
④科学と自働化機械とコンピュータの進化によって「作業の能率」は改善してきただろうに、「労働者の勤勉な頑張り」はなぜ緩められずに頑張り続けてきたのか？
さあ、こいつが難題ですよ。
装置面の支援により作業の能率はアップしたのだから、定時に退勤したらいいのにそれをしない。
子供さんの勉強を看てあげるなり、奥さんとデートするなり、親孝行するなり、独身男ならば将来の妻を探しに美女をナンパしに行くなり、自分の人生を好きに生きればいいのに、それがなかなかそれが出来ない。
明日の仕事の準備や来月のプロジェクトの根回しなど、今日できる将来の仕事を先取りして今日も残業する。
この考え方は何だったんでしょうね？（顔面蒼白、目の焦点が合ってない。）
18世紀か19世紀にSweatshop[ウィキペディア]と呼ばれた非常にハードな働きぶりや、明治時代の男の炭坑や女の絹糸工場の非常に勤勉でタフな働きぶりが、現代まで継続されているのは何故でしょうか？
最近、ChatGPTなどの応答型ＡＩの支援によって仕事が更に楽になって、令和時代の皆さんは定時に帰れるのかと思いきや、「もっと仕事が出来るようになる！」と前のめりなことを言ってる人すら居るそうです。
第１に、ごく簡単に言うと、「労働生産性」は、「安い人件費でもって、高い利益を上げる」のが「成績・スコアが良い」とされてきて、それが企業内で人事考課の採点項目とされてきました。だから、人件費を請求しない自主的な残業をしてたくさんの仕事をした、のでしょうか？
第２に、職場の”空気的に、正しい、良い、望ましい”とされていることに『長いものには巻かれろ、寄らば大樹の蔭』と思って合わせてきたのでしょうか？
第３に、自分の人生を自由に自己責任で生きるのを、やったことが無いから怖いので、『自由からの逃走』をしてしまって、従来通りに会社で忙しく残業をしている方が収まりが良いと思って、生活パターンを戻してしまうのでしょうか？（まるで、野生では生きていけない蚕のように。）
エンドレス残業地獄を、壊そうとするよりも、その流れに従って残業を頑張った方が周囲の人から高く評価されて得するからでしょうか。
会社内で良い地位、良い立場、良い権力を得たとして、それを手放せないと思うのであれば、自分がその地位立場権力を掌握しているのではなくて、自分の方がそれらに乗っ取られていて非常に不自由になると思うのですが、いかがでしょうか。
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名著解説動画：アバタロー
『【超大作】自由からの逃走 | フロム ～絶対に知っておきたい「自由な生き方」の副作用～』
