あべのキューズモール（大阪市阿倍野区）などで12月1日、阪堺電気軌道（阪堺電車）上町線の軌道芝生化・切り替え完成記念式典が開かれた。

新しい天王寺駅前停留所でテープカット

　路面電車の阪堺電気軌道は2015年7月から、都市計画道路長柄堺線（阿倍野筋）拡幅整備に伴う上町線・天王寺駅前～阿倍野間（約500メートル）の軌道移設工事に取り組んでいたが、12月3日（初発から）に新線へ切り替える。

　今回の切り替えで、関西初となる景観・環境に配慮した芝生軌道化（交差点部除く約300メートル）を実現するほか、新たな天王寺駅前停留所に地下通路階・ホーム階・歩道橋階を結ぶエレベーターを新設。阿倍野停留所（上りホーム）にはスロープを設置し、バリアフリーに対応した。阿倍野停留所（下りホーム・我孫子道・浜寺駅前方面行き）、天王寺駅前停留所の地下通路（既存通路のリニューアル）については引き続き工事を進め、2017年度中の供用を予定する。

　阿倍野区は、芝生軌道化などの取り組み「あべの筋の魅力ある街づくり（軌道緑化等）に関する事業」について、芝生の維持管理を安定的に続けていくための財源を確保するため寄付を募っている。

　当日は、大阪市の吉村洋文市長、阪堺電気軌道の外濵道明社長、あべの筋魅力づくり協議会の乾篤弘会長らが出席。天王寺駅前新停留所でテープカットも行われほか、現役最古の車両で昭和40年復元車の「モ161号車」を新線で走行させた。

　式典で吉村市長は「軌道芝生化はあべの筋が日本一美しいストリートを目指す取り組みの第一歩。大阪市は都市魅力創造戦略2020を構築している、阿倍野・天王寺エリアは重点エリア。魅力を国内外に発信していきたい。日本一美しいストリートは役所だけではできない。さまざまな地域の皆さんと一体になれば実現できるポテンシャルがあると思う」と話した。