本・重役たちの勲章 - 読書記録
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本・重役たちの勲章

2024年11月24日
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11-21 (16)

図書館で気になる本をメモしていた中の1冊で文庫の
門田泰明 著「重役たちの勲章」


紹介記事からスーパーのダイエーをモデルにした経済本と思い借りてきましたが、3部作が乗っていてその一つがダイエーが東京へ乗り込んできた時をモデルに、経緯が書かれたストーリー。

昭和のサラリーマンストーリーですが、令和になって大きくモラルが変化し通用しないブラック企業が横行していた時代。

大阪商人の薄利多売を拒否したい関東エリアの百貨店やスーパーが、一致団結して土地を買えないように買い占めたりの行動に。
中心になったのが西武系だったようで、私鉄と百貨店を運営する巨大企業が手を組んでの対決だったようです。

東京に大型スーパーが出店し始め、気付くと当たり前にスーパーで買い物をしていた年代ですが、そのスーパーの中でも価格崩壊に貢献したのがダイエーだったのかと本を読んで理解しました。

今はそのダイエーも消えましたし、西武百貨店をはじめプリンスホテル系も縮小し、一族経営が崩壊されてきましたが、当時のワンマン経営者の下で働いたサラリーマンとの関係性がブラック企業そのもので驚きますが、昭和のサンラリーマンとしては当たり前の関係だったのでしょうね。

2話目は「謀殺企業」で自衛隊へ納品している企業が粉飾決算に纏わる罠に嵌り、過激派と死闘を繰り返す話ですが、有能サラリーマンが出世に目がくらみ過激派と闘ってまで守った社長から裏切られる話で、トップに立つ者の身勝手さの証として「自分の弱みを握られたものは消される」と言うハードボイルド小説。

そして3話目が「凶薬の牙」で獣医師でもあり大学へ治験動物を納品したり、動物の亡骸処理をする会社を運営する温厚な個人事業主の本来の目的が少しずつ見えて来るのですが・・・

治療薬の治験問題ではコロナ禍で随分知られてきましたが、今もコロナワクチンを巡って陰謀説が流れる裏には、こんな経緯があるからなのかと思える、製薬会社の闇を書いたストーリー。

門田泰明氏の本は、剣客ものやハードボイルドなど、あまり読まないジャンルだったのですが、経済界の裏をかいたストーリーは、令和に入り大きく世論が変化した現在には、その違いを大きく意識させられます。

最近では昭和の歴史でもある暴力団解体後に、流れた組織が東南アジアをアジトにご存じのブラックアルバイトを駆使し、詐欺や強盗を繰り返している事が目立ってきました。

コロナ禍を介して価値観も大きく変化し、転職が当たり前の時代になり、在宅ワークと言うジャンルも広がりを見せていますが、反面ネットでの就活サイトに堂々と犯罪組織が求職活動をしているという現実もあり、法律や対応が追い付かない移行期でもあり、うっかり甘い話に載ってはいけないと実感し、むしろパートに就くより節約暮らしの方が無難なのではと思う年齢になりました。

欲を出さず、エコな暮らしがシニア世代には安全だと思っていたいま、昭和の働き方のグロさが際立って見えました。




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yumi3
この記事を書いた人: yumi3
65歳で自営業をリタイア。パート就活を始める予定がコロナ禍で中止。
田舎暮らしで専業主婦として過ごしながら、今出来る事に挑戦中です。

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