Blogというものが普及し、HTMLやCSSの知識がなくても個人で極めて手軽に情報発信できる時代になりました。 「HTML?何それ?」という人でも、Blogは元からテンプレートが用意されているため、本文の中で変わったことをしたいとか、カスタマイズしたいという場合でなければ、特に問題になることはありません。Blogサービスにもよりますが、数量の違いこそあれ大概は自分が使うテンプレートを選ぶことができます。
しかしながら、この「テンプレート」というのは、見た目が違うだけではなく「構造」自体が違うため、選んだものによっては訪問者が非常に「使いにくい」と感じるものがあります。また、元の出来はよかったものでも、自らのカスタマイズや様々なブログパーツを貼り付けていくうちに、原形をとどめなくなってしまうようなこともあるでしょう。
ということで、Blogのユーザビリティを考える点で、「これだけはチェックした方がいい」というものを5個選びました。もちろんすべてのBlogに当てはまるとは思えませんし、「こうしろ!」と命令しているわけでもありません。
しかし、自分で使っているテンプレートの弱点というのは、馴れている自分にはなかなか気づきにくいものです。「こういう風に考える人もいる」ということは、知っていて損はないと思います。
1. RSSフィードへのリンクがない・わかりづらい
あなたのBlogを気に入り、フィードリーダーで定期的に読みたいという人が現れたのに、肝心のフィードのアドレスがわからないのでは登録できません。せっかくの常連希望者を逃すことにもなりかねないといえます。
使用しているBlogサービスによってフィードアドレスには特徴がありますが、それがわかるのはそのBlogサービスを利用している人だけです。フィードへのリンクは必ず用意した方がいいでしょう。
ブラウザによってはhead部分に書き込まれたタグを認識し、自動でブラウザにRSSアイコンを表示させるものもあります。(Firefox、IE7、Operaなど。)しかしながら、日本でシェアトップのブラウザであるIE6では、そのようなものは表示されません。IE6を使用している人でも、問題なくフィードを登録できるようにしておくべきでしょう。
また、フィードへのリンクはあるが、サイドバーの一番下やページの最下部に隠れるようにおいてあるだけの場合もあります。せっかくあなたのBlogを読みたい!と思っている人がいるのですから、無駄に探し回らせる必要などないでしょう。
なるべくわかりやすいように大きめのアイコンなどを利用し、ページのトップ近くにRSSフィードへのリンクを用意すべきです。(カスタマイズの自由度が低く、そうせざるを得ないBlogの場合は仕方ありませんが。)
2. 個別記事へのパーマリンク(固定リンク)がない
トップページから全文が読める場合、一見して個別の記事へのパーマリンクは必要ないように見えるかもしれません。しかし、それでは訪問者が気に入った記事を(ローカル・ソーシャル問わず)ブックマークすることができません。ブックマークは個別のページに飛べないと、適切に登録することができないからです。(SBMならAddClipsなどを使う手もありますが。)
Blogテンプレートは、記事のタイトルがパーマリンクになっているか、エントリの下部に「パーマリンク」と書かれたリンクがあるのが一般的です。どちらかに倣った方が訪問者が迷わなくてすむでしょう。トラックバックやコメントへのリンクを使わないと、個別の記事に飛べないという事態は避けるべきです。
3. トップページへのリンクがない
検索エンジンから個別記事に訪問者が来て、ぜひトップページから最新の記事を読みたいと思ったとしましょう。こういう場合、トップページへのリンクがどこかに存在しないと訪問者は困ってしまいます。
サイドバーに最新記事一覧があるから問題ないと思う方もいるかもしれませんが、それではトップページをブックマークすることができませんし、新しい記事を上から順に読むこともできません。どのページに直接アクセスがあっても大丈夫なように、トップページへのリンクは必ず用意するべきでしょう。
なお、ページの最上部(ページトップ)のBlog名や画像がトップページへのリンクになっているというのが一般的に良く使われる方法です。(ただしこの方法は、わかりにくく使われにくいという話もあります。サイドバーなどにわかりやすく「トップページへ」というリンクを作ったり、パンくずリストを設置したりするのも一つの手でしょう。)
4. JavaScriptやCookieがOFFでも見られるページに
JavaScriptで表示するタイプのブログパーツというものは、数多くあります。基本的にそれらはサイドバーに設置することが多いのですが、場合によって(人によって)はメインカラム(本文が表示される場所)に置いたりすることもあるようです。便利な情報を表示したり、見栄えをよくするものなど、設置したいものはたくさんあるかもしれません。
しかし、そのブログパーツが表示されることを「前提」としてレイアウトを整えた場合、JavaScriptがOFFでそのパーツが表示されなくなると、とたんにレイアウトが予想もしない形で崩れることがあります。場合によってはまったく本文が読めない状態、という事態もありえるのです。
また、一部のWebサービスはJavaScriptやCookieの許可を訪問者に求め、それらがONにされない限り画面を書き換えたり、リダイレクトしてしまうものがあるようです。
セキュリティを重視している訪問者は、ブラウザのJavaScriptやCookieをOFFにしている場合があり、同様にインターネットセキュリティのソフトを使っている場合でも設定は変わっていることがあります。訪問者がBlog管理者の要求どおりに設定を変えてくれればいいですが、単純に「読めないページ」として認識したり、「見るのを拒絶している」と考えることは十分にあるでしょう。
一度自分のBlogをJavaScriptとCookieがOFFの状態ではどのように表示されるのか、きちんとチェックしてみることをお勧めします。
5. コンテンツの場所がわからない
Blogのトップページには、一般的に新しい記事が順番に並んでいるものが多いといえます。トップページとインデックスページが合体したもので、アクセスした時にすぐ新着記事が目に入るタイプです。
しかし、そういうタイプとはまた別に、普通のWebサイトのように「入り口」のページが用意してあるBlogもあります。トップページからコンテンツのページに飛び、そこから始めて記事を読むことができるものです。このようなBlogはデザイン性を意識したものが多く、一見してみてBlogらしからぬ作りなのが目を引きます。
ところが、このデザイン性が良くない方向に影響することがあります。パッと見たとき、どこにコンテンツがあるのか判断できないのです。場合によってはどこがクリックできるのかすらわからず、リンクを探し回らないといけないことすらあります。
確かにデザインは重要ですし、見た目で一番差を付けやすいところでしょう。しかし、デザインを優先して重要な中身(本文)が読めない・見つからないでは話になりません。せっかく訪問客が来たのに、入り口を迷路にしてしまうのは得策ではないでしょう。
どのページにアクセスがあっても、「どこがリンクなのか」、「どこへのリンクなのか」は、すぐにわかる形にしておいた方がいいのです。迷ったあげく、リンク探しを諦めて帰ってしまうかもしれないのですから。
まとめ
以上の5のポイント、いかがだったでしょうか。「こんなのは当たり前だ」と思う方もいるでしょうが、実際に上記のようなBlogはいくつも目にしています。
また、逆に「全然参考にならないし無意味」と考える方も当然いるでしょう。でも、私自身は上記のようなBlogは使いにくい(見にくい)と思いますし、もったいないとも考えます。
このWeb上にあなたのBlogのライバルはいくらでもいます。この際ですから、少しでも「使いやすい」Blogを目指してみるのもいいのではないでしょうか。
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