液晶保護フィルムの「グレア」と「アンチグレア」の違い

液晶保護フィルム

新しいスマートフォンやタブレットを買ったら、まず最初にやるのが「液晶保護フィルムの貼り付け」だったりする人は多いのではなかろうか。実際に自分も汚れや傷が気になるタイプで、デバイスと同時に保護フィルムを注文することが多い。貼り付けに手間取ることも多いが、使用したときの実用性と安心感はなかなか捨てがたい。

ところでこの保護フィルム、大きく「グレア(光沢)」と「アンチグレア(非光沢)」(あるいは「ノングレア」とも)に分かれていることを知っている人も多いだろう。表面加工の違いにより、同じ「フィルム」という商品でも、貼り付け後の見栄えはまったく異なる。多くは利用者の好みで選んでいると思われるが、特性自体が違うため、デバイスの用途によって使い分けたりすることも珍しくないようだ。近年のタッチパネルの表面加工はほぼ最初からグレアであり、それをアンチグレアに変更すること自体を目的として、フィルムを貼ることもあったりする。

というわけで今回は、その「グレア」と「アンチグレア」のそれぞれのフィルム特性を簡単にまとめてみたい。もちろんメーカーやフィルムごとの違いはそれなりに大きいが、おおざっぱな傾向をつかむのは役立つのではないだろうか。

グレアパネルとアンチグレアパネルの違い
左がグレア加工で、右がアンチ(ノン)グレア加工のディスプレイ。これはかなり極端な例だが、基本的にアンチグレア加工は白っぽく見えるのが特徴。「最新の薄型ディスプレイ技術が集うDispaly 2008が開幕」から引用

グレア加工

表面に光沢があって反射が強く、画面が消えた暗い(黒い)状態では、鏡のように物が写り込むのが特徴。一般的にグレア加工は「発色が良くて美しい」ので、動画の再生や写真閲覧などに向くとされている。近年のタッチパネルを搭載した端末は、多くが標準でこの加工になっている。

メリット

  • コントラストが色鮮やかで、(元々がグレア加工の)ディスプレイの美しさ/見栄えの良さを損なわない
  • 文字や画像がくっきりと表示される
  • フィルムを貼っていることが目立たない

デメリット

  • 指紋や指の油などの汚れが目立ちやすい
  • 指の滑りが(アンチグレアに比べて)悪い
  • 映り込みが激しく、画面に反射された自分の顔などが気になりやすい
  • フィルムの品質によっては、フィルム表面が七色に反射してぎらぎらした状態になることがある

商品によっては、「防指紋」などの上記の弱点を改善させるような表面加工がしてあるものもあるが、効果はまちまちであり、気休め程度のものも多いのが難点。

アンチグレア(ノングレア)加工

表面に光沢がなく、白っぽくて少しざらざらしているのが特徴。一般的な特徴としては、反射が少なく映り込みが目立たず、落ち着いた発色により見やすくなるとされてる。またそれにより、目が疲れにくいとも。長時間使うことが多いPCのディスプレイでは、このアンチグレア加工の商品も多い。

メリット

  • 表面がサラサラしていて、指の滑りが良い
  • 指紋や指の油などの汚れが目立ちにくい
  • 映り込みが少なく、画面に自分の顔などが反射されない
  • (上記の結果によって)画面が落ち着いて見やすくなる

デメリット

  • 全体的に画面が白っぽくなり、色鮮やかさが失われる。結果的に(元のグレアの加工から)色合いが変わって見える
  • フィルムによるが、若干フォーカスが甘くなった、ぼけたような画面になることがある
  • フィルムの品質によっては、ザラザラやツブツブが発生するようになる

アンチグレアは指の滑りが良く、汚れが目立ちにくいなどのメリットも大きいが、見栄えが変わってしまうので人を選ぶようだ。表面の加工が大きく変わる関係上、粗悪なフィルムは文字がぼけた状態になったり、光るツブツブが発生したりと、かなり見にくくなったりするものもあるので注意したい。