SST-TJ08B-EのHDDとUSB 3.0コネクタの干渉問題を解決する

SilverStone SST-TJ08B-E

以前下のレビュー記事で書いたが、自分の自作PCはシルバーストーン製の「SST-TJ08B-E」というケースを使っている。Micro-ATXながら比較的高い拡張性とエアフローを兼ね備えたおすすめできるケースだが、サイズが小さいゆえにパーツの干渉が起こりやすいという弱点があった。特に問題となりがちなのが「HDDケージと(M/Bの)USB 3.0コネクタの干渉」で、ネットを探せばトラブルの体験談をかなり簡単に見つけることができる。

これは最近のMicro-ATX M/Bのレイアウトが、内部USB 3.0コネクタをメモリスロットの脇に置くことがかなり多いことに起因しているようだ。

このトラブル、最初に(中身のシステムはそのままで)ケースだけ取り替えたときは何の問題もなかったのだが、Haswellで一式組み直したら見事に自分も影響を受けることになってしまった。今使っているのはASRockのZ87M Extreme4というMicro-ATXのM/Bなのだが、このボードもケースに繋ぐUSB 3.0の20ピン内部コネクタはメモリスロットの近くにある。この位置だと、困ったことにSST-TJ08B-EのHDDケージに狙い澄ましたように干渉してしまう。

Z87M Extreme4のレイアウトとUSB 3.0コネクタ
ASRockのZ87M Extreme4を上面から見た画像。赤枠で囲まれた部分がUSB 3.0コネクタだが、この位置はケースと干渉してしまう。

この問題の対処方法としては、「HDDケージを切り取る(削る)」というかなり乱暴なものが提唱されているのだが、個人的には買ってさほど経ってないPCケースを破壊するのはなるべく避けたい。どうにかならないのかと思って別の方法を探してみると、「USB延長ケーブルを使えばいい」という話を見かけた。USB 3.0対応の内部延長ケーブルは未だにあまり見かけないのだが、どうやら以下のケーブルが使えることがわかった。

B0088SZN1W

値段も高くないので早速買って試してみると、結果はバッチリ。HDDケージがコネクタの上に被ってしまっても、このケーブルなら普通にM/Bへ差し込んで固定することができる。ケース付属のケーブルは「コネクタが大きくて長い」「ケーブル自体も固い」という特徴があり、コネクタ部分にHDDケージが被った状態で無理に使用しようとすると、コネクタとケーブル部分にかなりの負荷(テンション)がかかってしまう。

しかし、このUSB延長ケーブルはコネクタ部分が小さく(付属ケーブルの1/2~2/3程度)、ケーブル部分も柔らかくかなり自由に曲げられるため、ケーブルとM/Bの両方にほとんど負荷がかからないようだ。実際、この製品で延長したケースのUSB 3.0ポートは一切問題なく使用できている。

もちろん、こういったトラブルは最初から発生しないに越したことはないし、シルバーストーンはもうちょっとケーブルなりケースのレイアウトなりをなんとかして欲しいところではある。ただまあ、このあたりは「小さいPCケース」を買った時点である程度は覚悟していたし、実力行使(=ケースの破壊)をしなくて済んだだけマシかもしれない。というわけで、もしSST-TJ08-Eを使っていてUSB 3.0コネクタの干渉問題に悩まされており、かつ「ケースを削りたくない」という人には文句なくオススメできるパーツだと思う。