SEOだけで満足できない人のためのmetaタグ情報まとめ (後編)

SEOだけで満足できない人のためのmetaタグ情報まとめ (前編) 「http-equiv編」 はてブ数

このエントリは上記のエントリの続きです。前回のエントリでは触れなかった、metaタグのname属性を持つものについてまとめたいと思います。metaタグの中で一番有名ともいえる、「meta name="keywords"」(キーワード)や「meta name="description"」(概要)もこちらに含まれます。

meta name (name属性)とは

メタデータとはそもそも「文章の中身ではなく、HTML文章そのものについてのデータ」を記述するところです。前編のhttp-equivで出てきた「content-type」や「content-language」も「このHTMLの文字コードはUTF-8」だとか「日本語の文章である」と指定して、ユーザーエージェント*1に情報を与えているわけです。当然「meta name」もhttp-equivと同じように、「HTML文章についての情報」を記述するところです。 1 : 一般的にはブラウザや検索エンジンなどのクローラ(ロボット)を指す。

ところが、このmetaタグは規格を制定しているW3Cがプロパティ(属性値)を定義していません。

本仕様は、正当なメタデータのプロパティ集合を定義することはしない。 プロパティ及びその正当な値集合は、プロファイルと呼ばれる参照辞書で定義される必要がある。

The global structure of an HTML document (ja)

プロパティを定義するはずのprofile属性は現実的にほとんど使われていないので、言ってしまえばmetaタグは誰でも勝手に拡張できるのです。例えば以下のようなタグをHTML内部に書き込んでも、別にエラーは起こりません。

<meta name="HTML Ver" content="XHTML 1.0 Transitional" />

もちろんこれは書き込んでも何の意味もありません。私が今勝手に作ったこのmetaタグは、どこにも定義されておらず、どのユーザーエージェントも使用していないからです。つまり、「効果があるmetaタグ」というのは「ユーザーエージェントが認識できて、動作に影響を与えられるタグ」というものになります。当然「一般的によく知られているが意味がないタグ」や「ほとんど知られていないが効果はあるタグ」もあります。

これから紹介するmetaタグも有名なものから無名なものまで色々と列挙していきますが、実際に何らかの効果があるかは別問題です。むしろ効果がないものの方が多いでしょう。もちろん、関係ないタグが入っていても無視されるだけで特に問題は起こりませんが。

文章情報の記述

author - 著者情報

文章の作者名を記述します。

<meta name="author" content="作者名" />

記述例

<meta name="author" content="foobar Yamada" />

copyright - 著作情報

著作情報(コピーライト)を記述します。

<meta name="copyright" content="© 著作者" />

記述例

<meta name="copyright" content="© 2008 Korehahidoi Corp." />

date - 作成・更新日時

文章の作成・更新日時を記述します。W3Cによって、日付データは[ISO8601]で記述することが推奨されています。

<meta name="date" content="作成・更新日時[ISO8601]" />

日付フォーマット例 : [1994-11-06T08:49:37+09:00]*2 2: 1994年11月6日8時49分37秒+日本時間

記述例

<meta name="date" content="2008-09-01T15:24:55+09:00" />

creation_date - 作成日時

文章の作成日時を記述します。

<meta name="creation_date" content="作成日時" />

dateとの違いは更新時間を含めないことと日付フォーマットの違いのように見えますが、詳しい情報は見つかりませんでした。

記述例

<meta name="creation_date" content="September 21, 2004 09:41:33" />

keywords - キーワード

文章に関係・関連するキーワードを設定します。検索エンジン対策(SEO)が流行したため、一番有名になったタグでしょう。

<meta name="keywords" content="キーワード1,キーワード2,キーワード3,……" />

カンマ(,)区切りで複数の単語を指定できます。

記述例

<meta name="keywords" content="HTML,CSS,JavaScript,ブラウザ" />

description - 概要・説明

文章の説明や概要を設定します。その文章の内容を簡潔に記述します。

<meta name="description" content="概要・説明文" />

Googleは検索結果にこのdescriptionを使用する場合も多く、適切に設定しないと検索結果から内容がわからなくなってしまいます。よく考えてから記述した方がいいでしょう。

記述例

<meta name="description" content="HTMLとJavaScriptのリファレンスページ。タグ一覧表や初心者向けサンプルなど。" />

classification - カテゴリ

文章のカテゴリを設定します。機能としてはkeywordsやdescriptionと同じタイプのものでしょう。

<meta name="classification" content="カテゴリ名" />

具体例としてはcontent部分に英語ではgeneral,internet,computer,personalなどを設定するようです。カテゴリそのものですから、Blogのカテゴリを入れるのもいいかもしれません。

記述例

<meta name="classification" content="HTMLリファレンス" />

reply-to - 連絡先

文章作成者・管理者への連絡先(メールアドレス)を記述します。

<meta name="reply-to" content="連絡先 (メールアドレス)" />

ただ現実的に考えて、スパマーが自動ツールを使ってメールアドレスを収集している関係上、これは記述しない方がいいと思われます。

記述例

<meta name="reply-to" content="example@example.com" />

generator - 作成・出力ソフト

文章を出力するのに使用したソフトウェアなどを記述*3します。以前はHTMLエディタなどのソフト名が入る場合がほとんどでしたが、現在はWordpressやMovable Typeなどのブログウェア・CMS名が記述されることが多いようです。 3 : 正確には「勝手に挿入される」が正しい。

<meta name="generator" content="ソフトウェア名など" />

記述例

<meta name="generator" content="Wordpress 2.5" />

rating - 対象年齢

文章の対象年齢を設定します。成人向けコンテンツを掲載するときに使えそうですが、このタグを考慮にするフィルタリングソフトが存在するのかは不明*4です。 4 : 軽く調べた限りはなさそうですが。

<meta name="rating" content="対象年齢" />

対象年齢の設定値には明確に決められた値がないようで、何種類かの記述が散見されました。見つけたものを例として記述しておきます。

設定例1
設定値対象年齢
general全年齢
child未成年・子供向け
safe for kids未成年・子供向け*5
adult大人向け

5 : 設定値から考えると「子供が見ても問題ない」なので、対象年齢がchildより上ということだと思われる。

設定例2
設定値対象年齢
safe for kids全年齢
general一般向け
14 Years12歳以下の子供については注意が必要。制限自体はなし。
mature多少の性的要素、暴力表現などを含む。16歳以下は鑑賞・閲覧に保護者の同伴が必要。
restricted性的要素、暴力表現などを含む。17歳以下の鑑賞・閲覧は禁止。

設定例2はアメリカの映画レイティングシステムを流用したもののようです。そのため、日本には存在しないレイティングが存在します。

記述例

<meta name="rating" content="general" />
関連情報

coverage - 提供範囲

文章、サービスの提供範囲を指定します。属性値には地域名や国名を設定します。

<meta name="coverage" content="提供範囲" />

具体的な設定値には「worldwide」「asia」「japan」などを入れます。

記述例

<meta name="coverage" content="japan" />

検索エンジンクローラの制御

robots - クローラの制御

検索エンジンのクローラがそのページをどのように扱うかを指定します。

<meta name="robots" content="インデックス,クロール,キャッシュ他" />

具体的には以下の設定値があります。

クローラの制御設定
設定値内容
indexページをインデックス(登録)する。
noindexページをインデックス(登録)しない。
followリンク先のページをたどるのを許可する。
nofollowリンク先のページをたどるのを許可しない。
archiveページをキャッシュとして保存することを許可する。
noarchiveページをキャッシュとして保存することを許可しない。
noodp検索結果の要約文にDMOZの説明文を使用しない。*6
all全てを許可する。
none全てを許可しない。

6 : 詳しくは次のサイトを参照のこと。NOODPとは / 晴練雨読

設定例

<meta name="robots" content="index,follow,noarchive" />

インデックスとリンクをたどることは許可するが、キャッシュは許可しないという設定。

余談ですが、このタグは検索エンジンクローラが必ずそのように扱ってくれることを保証するものではありません。検索エンジンによっては無視することもあります。もしあなたが「知らない人に見られたくない」とか「検索エンジンから人が来て欲しくない」と考えるならば、パスワードを掛けて根本的な閲覧制限をすることをお勧めします。

Googlebot - Googleクローラの制御

Googleのクローラ「Googlebot」に対象を絞って、クローラの動きを制御することができます。Yahoo!やMSN(Live Search)のクローラには影響がありません。

<meta name="Googlebot" content="インデックス,クロール,キャッシュ他" />

robotsで設定するindexやnofollowなどの設定値に加え、以下のプロパティが使用できます。

Googlebotの制御設定
設定値内容
nosnippet検索結果に要約を表示しない。*7
unavailable_after:[date]ページのクロールとインデックスを中止する正確な日時を指定する。
noimageindexページ内の画像クロールを許可しない。(Googleイメージ検索のみを拒否する。)

7 : なぜかスニペットを削除すると、キャッシュ ページも削除されますとのこと。スニペットを表示しないようにする、または削除する - ウェブマスター向けヘルプ センターより。

記述例

<meta name="Googlebot" content="index,nofollow,nosnippet" />

Slurp - Yahoo!クローラの制御

Yahoo!のクローラ「Yahoo! Slurp」の挙動を制御します。Yahoo!以外のクローラには影響がありません。

<meta name="Slurp" content="インデックス,クロール,キャッシュ他" />

robotsで設定するindexやnofollowなどの設定値に加え、以下のプロパティが使用できます。

Yahoo! Slurpの制御設定
設定値内容
noydirYahoo!カテゴリに記載されているデータをタイトルや概要に利用しない。

記述例

<meta name="Slurp" content="noindex,follow,noydir" />

msnbot - Live Search(MSN)クローラの制御

Live Search(MSN)のクローラ「msnbot」の挙動を制御します。Live Search以外のクローラには影響がありません。

<meta name="msnbot" content="インデックス,クロール,キャッシュ他" />

GooglebotやYahoo! Slurpのように追加で設定できるプロパティはありません。

記述例

<meta name="msnbot" content="noindex,nofollow,noarchive" />

revisit_after - クローラの再訪問日の制御

検索エンジンのクローラが再度訪れるまでの日数を指定します。

<meta name="revisit_after" content="日数" />

設定値としては「7 days」「20 days」などと設定するようですが、実際にクローラがこのタグを考慮してくれるのかは不明です。

設定例

<meta name="revisit_after" content="15 days" />

特定のソフトウェア・サービスの制御

verify-v1 - Googleウェブマスターツールの認証用

Googleウェブマスターツール(旧Googleサイトマップ)にサイトの管理者であることを通知します。content部分の属性値に入るのは、利用者ごとのユニークな文字列です。

<meta name="verify-v1" content="文字列" />

y_key - Yahoo! サイトエクスプローラーの認証用

Yahoo! サイトエクスプローラーにサイトの管理者であることを通知します。content部分の属性値に入るのは、利用者ごとのユニークな文字列です。

<meta name="y_key" content="文字列" />

アメリカのYahoo!が提供するSite Explorerが使用するのも同じ「meta name="y_key"」ですが、両サービスに互換性はなく別サービスです。

msvalidate.01 - Live Search Webmaster Toolsの認証用

Live Search Webmaster Toolsにサイトの管理者であることを通知します。content部分の属性値に入るのは、利用者ごとのユニークな文字列です。

<meta name="msvalidate.01" content="文字列" />

英語でのサービスしか提供されていませんが、日本語のWebサイトでも問題なく使用できます。

hatena - はてなアンテナを制御する

はてなアンテナの挙動を制御します。

<meta name="hatena" content="設定値" />

設定値に入れるプロパティは以下のようになっています。

はてなアンテナの制御設定
設定値内容
nodiff更新内容をアンテナ画面に表示しない。
difflength表示される更新内容の最大文字数を指定する。*8
noindexはてなアンテナの検索結果*9に表示されないようにする。

8 : 「difflength=80(文字数)」のように設定する。「difflength=0」はnodiffと同じ挙動。 9 : はてなアンテナのサービスに検索機能が存在するため。

設定値はカンマ(,)区切りで同時に設定することができます。また、「robots」で「noindex」がですでに設定してあれば、「hatena」で新たに設定する必要はありません。

記述例

<meta name="hatena" content="difflength=100,noindex" />

Hatena::Bookmark - はてなブックマークの挙動を制御する

はてなブックマークの挙動を制御します。

<meta name="Hatena::Bookmark" content="設定値" />

使用できるプロパティは以下のとおりです。

はてなブックマークの制御設定
設定値内容
noindex, noarchive, nosnippetブックマークページに文章の一部を概要として引用させない。
nocommentブックマークページのコメント一覧を非表示にする。

ブックマーク自体を防いだり、コメントを不可能にすることはできません。

Buzzurl - Buzzurlの挙動を制御する

Buzzurlの挙動を制御します。

<meta name="Buzzurl" content="設定値" />

挙動自体は「Hatena::Bookmark」とほぼ同じで、noindex,noarchive,nosnippetのいずれかを設定すると、文章の引用がおこなわれなくなります。また、すでに「name="Hatena::Bookmark"」で上記の値が設定してある場合も引用はされません。*10 10 : Buzzurlを知らないとしても表示されたくないのであろうと推測できますのでとのこと。要するにはてなブックマークのmetaタグと互換性がある。

ただし、「nocomment」にあたるものは存在しないようです。

WWWC - WWWCに更新情報を通知する

Webページの更新チェックソフトのWWWCに更新情報を通知します。

<meta name="WWWC" content="更新日時か内容" />

content部分に入れた内容がソフトに表示されるようです。

記述例

<meta name="WWWC" content="2005/04/11 20:40" />

終わりに

前後編と続いたmetaタグ特集もとりあえず終了です。実はまだいくつか調べている内に出てきたものがあるのですが、用途が不明だったり複雑すぎたりで取り上げる必要性を感じませんでした。今回列挙したmetaタグも実用性が高いものから皆無のものまで多岐にわたりましたが、「こういうものもある」と知っておくこと自体は損にならないでしょう。

今回meta情報を調べることによって私自身も始めて知ることも多く、なかなか勉強になりましたね。この前後編のエントリは自分でも役立つ「保存版」といった感じでしょうか。

関連・参考URI