2024年6月21日、茨城県南部の新利根川の流れを遮るかのように、“緑色の何か”が、異様なまでに繁殖し、川幅いっぱいまで広がり生い茂っています。
この正体はいったい何なのでしょうか?
南米原産の特定外来生物「ナガエツルノゲイトウ」です。爆発的な繁殖力から “地球上で最悪の侵略的植物”と呼ばれています。
滋賀県立琵琶湖博物館 中井克樹特別研究員:
水の中ではかなり大暴れします。(繁殖すると)例えば船が通れなくなるとか、(排水)ポンプを詰まらせてしまうということが起こってしまえば、洪水を起こすということもあり得ると思います。
今から10年前の2014年の 新利根川は、水面には何もなく、川の流れを見ることができました。
同じ場所を6月20日に撮影すると、その光景は一変。水面には端から端までびっしりと水草が生い茂っています。
橋の下を中心に「ナガエツルノゲイトウ」が、まさに“侵略”しているのです。
地元の住人を取材「ナガエツルノゲイトウ」の影響は?
めざまし8は現地を取材。地元の住人はこの“緑の侵略者”についてどう思っているのでしょうか?
JA稲敷 諸岡周示常任理事:
こんなふうに増えちゃったのは2、3年前からですかね。
近年、見られるようになったというこの“侵略的植物”。それが今、私たちの食生活を脅かしかねない事態になっていました。
茨城県は関東一の米の収穫量を誇りますが、田んぼを見ると、稲のすぐそばに、ナガエツルノゲイトウの姿が見えます。
川から田んぼに水を引き込む水路から侵入し、田んぼに繁殖してしまったというのです。
常南ファーム代表取締役 野澤拓哉さん:
川からパイプを通ってナガエツルノゲイトウが入ってしまってる状態ですね。
常南ファーム代表取締役 野澤拓哉さん:
ちょうど今から稲が肥料をたくさん吸って穂をつける前の段階で、今ここでナガエツルノゲイトウが浸食してしまうと肥料をナガエツルノゲイトウが吸ってしまうので、肥料不足になって稲が育たなくなってしまいます。
被害は、隣町の田んぼでも起きていました。
稲敷市の農家:
去年は絶えず草刈りをしていた状況です。今年に入ったら急に昨年の倍、さらに倍々と増えてきている感じで、今年は収穫がかなり落ちるのかなという思いではやってます。
千葉県のレンコン畑にも…
田んぼだけではなく、千葉県佐倉市のレンコン畑にも“緑の侵略者”が侵入していました。
本来、農地では農薬での駆除が効果的と言われていますが…、
佐倉れんこん 松本有麻さん:
レンコンに使える除草剤は基本的になくて、手で取るしかないですね。
佐倉れんこん 松本有麻さん:
これを取っていくしかないですね 陸にあげていって、このままだと残っちゃうので切って。これも力がいるんですよ。草取りを3人か4人がかりで2時間くらいやってます。
現在、ナガエツルノゲイトウは25の都府県で確認され、東京23区でも見つかっています。
繁殖の拡大を止める術はあるのでしょうか?
滋賀県立琵琶湖博物館 中井克樹特別研究員:
いくらがんばって駆除してもほぼ100%再生するんです。またそれを取る。そういう作業をしばらくは続けないといけない。根気強く対応する覚悟を持って対応することが大事です。
(『めざまし8』 2024年6月21日放送より)
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