第14回「だから私は先生が大好きでした」 卒業式の手紙に泣いた校長の決意

有料記事想いをつづって

大蔦幸
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 少し肌寒い卒業式だった。

 小山城南高校(栃木県小山市)の体育館には、張り詰めた空気と厳かな雰囲気が漂っていた。校長だった寺内孝夫さん(69)は、柔らかな口調で、卒業生にはなむけの言葉を贈った。

 「どこへいっても、自分らしく、前を向いて歩いていってください」

 いったい、どれくらいの生徒の心に届いているだろうか。入学式や始業式、終業式、校長として、壇上で話すことは何度もあった。

 そのたび、「はやく終わらないかな」。そんな生徒の声が聞こえてくる気がした。

 簡潔に、10分以内で春夏秋冬を意識して話した。一人でもいい、誰かに届いていたらいいなと願って。

 2012年3月1日。この日の卒業式でもそんな思いで話した。

 その後、昼過ぎのことだ。

 校長室横の事務室から、声がかかった。

 「女子生徒が1人、校長先生とお話ししたいと廊下で待っているんですが」

 「入っていいよ」、「失礼します」。

 一礼した彼女は、笑顔で切り出した。

 「卒業する前に、最後に校長先生とお話ししてみたかったんです」

 しっかりと話すのは初めての生徒だった。

 2時間ほど、楽しそうに3年間の話をしてくれた。友達のこと、部活のこと、授業のこと、将来のこと。生き生きした表情をみて、充実した高校生活だったんだと思えてうれしかった。

 帰り際、彼女が突然、手紙を差し出した。ピンク色の封筒にケーキの形をした愛らしい便箋(びんせん)だった。

 「あとで、読んでください」

彼女がずっと思っていたこと

 彼女が去った後、すぐに封を…

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    西田亮介
    (社会学者・日本大学危機管理学部教授)
    2024年3月20日18時20分 投稿
    【視点】

    記事の必要性がまったく理解できない。かろうじて地方面ならいざしらず、この記事を全国に向けて発信することにいったいどうのような意味や公共性があるのか考えてしまう。記者個人がブログか、個人媒体で発信すれば十分ではないか。同様の趣旨のことを、毎日

    …続きを読む
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    中島隆
    (朝日新聞編集委員=中小企業の応援団長)
    2023年11月4日17時0分 投稿
    【視点】

     「想いをつづって」はシーズン2。記者たちは、時に泣き、時に怒り、そして、ほほえんだり大笑いをしたりしながら取材し、ていねいにていねいに原稿を紡いでいます。どう表現したらみなさんの心に届くだろうか、悩みながらつづっています。  記事の最後に

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連載想いをつづって(全30回)

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